著者 : 宇月原晴明
すべては、竹取翁の仕掛けた罠ー?かの有名な竹から産まれたという逸話も、五人の公達に課された尋常ならざる貢物も…。そして、翁の術中にはまり、禁裏を抜け出し、竹取館へ向かった帝は一体、何を見たのか。帝と月の天人との、かぐや姫をめぐる戦いの真実。秘匿されていた真の「竹取物語」。千年の時を経て、物語の祖が今、蘇る。
壇ノ浦の合戦で入水した安徳天皇。伝説の幼帝が、鎌倉の若き詩人王・源実朝の前に、神器とともにその姿を現した。空前の繁栄を誇る大元帝国の都で、巡遣使マルコ・ポーロは、ジパングの驚くべき物語をクビライに語り始める。時を超え、海を越えて紡がれる幻想の一大叙事詩。第19回山本周五郎賞受賞作。
秀吉の天下統一もなって数年。「殺生関白」秀次は、異端の伴天連ポステルと聚楽第に巨大な錬金窟を作りあげ、夜ごとの秘儀を繰り広げていた。京洛の地下に隠された謎をめぐって暗躍する家康・三成らの諸侯、蜂須賀党・服部党の乱破、イエズス会異端審問組織「主の鉄槌」。秀吉が頑なに守る秘密、そして秀次の企みとは?権力の野望に魅せられた男たちの狂気を描く、オカルト満艦飾の戦国絵巻。
時は戦国。洛東はるかに、西域は波斯の暗殺教団“山の長老”伝来の暗殺の法を秘かに伝える山があった。玉のごとき美貌を謳われ、山中深く刺客として養われた一人の稚児が、兄弟子とともに修羅の巷に下りる時、戦国一婆娑羅な悪党の伝説が始まる!天下二分の夢を誓った兄弟子・斎藤道三への想い、昇る日輪のごとく台頭する若き織田信長への嫉妬と憤怒…。舞い踊る傀儡、乱れ咲く毒の花、神秘の霊薬、妖しの法を自在に操り、久秀は迫りくる千軍万馬に、独り立ち向かい続ける。時代に先駆けながら、自らの誇りにのみ従い、時流に叛逆しぬいた男の華麗なる生涯-虚と実の狭間に屹立する、異形の戦国史。
秀吉による天下統一もなって数年、秀頼誕生から人の出入りもめっきり減った聚楽第。“殺生関白”の噂も立つ主・秀次は、都の地下に広がる暗黒世界で異端の伴天連と錬金術に身を捧げる。禁じられた秘儀に隠されたある企て-。秀次の出生の秘密も絡まり、服部党・蜂須賀党を巻き込んだ闇の闘いがはじまる。大胆な発想、圧倒的な筆力で描き出す異形の戦国史。豪壮なる戦国伝奇小説。