著者 : 宙舞えみり
愛とは何か、その繋がり描く、ショートノベル あなたには、家族や友達と呼べる“動物”はいますか? わすれられない“動物”との運命の出会いはありますか? 南半球のとある小さな無人島。 緑が茂る豊かな森と草原が映える美しい風景は、小さな動物たちにとって、まさに楽園そのもの。 別名バード・パラダイスといわれる島。 そんな素敵な島があるという噂が、一部のニンゲンたちの間で静かに広まってしまう。 どうしても飼うことができなくなって、仕方なく動物を手放すことを決めたニンゲンが、 鳥たちの最期の安住の場所として、この地を選択し、置き去りにするという事態が起きるようになっていた。 ーー とある場所に住む少年ミシェルは、10歳の誕生日を相棒の真っ白なオウム、ジョフィと迎えていた。 ジョフィはミシェルが5歳のときに心奪われ、以降一番の友達でもあり相棒として共に時を重ねてきた。 ミシェルの生活は、ジョフィなしには成り立たないくらい、深い愛情と絆ができあがっていた。 そんなミシェルの10歳の誕生日に悲劇は起きる。 ーー また、とある場所に住む少年フレディは16歳の男の子。 小さいときから、歌うことや踊ること、笑わせることが好きな快活な少年。 ある日の学校からの帰宅途中、たまたま入ったペットショップで、 一羽の真っ白いオウムと運命的に出会い、家族となる。 フレディは「ミシェル」と名付けた相棒と歌い踊るようになる。 やがて、フレディとミシェルが共に踊り歌う姿を撮影した動画は人気を博し拡散されていく。 数年後、フレディとガールフレンド・イヴは結婚式の日を迎えていた。 オウムのフレディも参列し、家族全員幸せいっぱい。 そんな結婚式の帰りに悲劇は起きる。 ーー 地上の楽園、バード・パラダイスで迎える物語の最後。 時を超え、人間と動物という枠を超え、すべての命が出会い交差していく。 人と動物は、どこまで仲良くなれるのか。 信頼と愛の絆は、動物との間にも存在しえるものなのか。 もし命がつながっているとしたら…… すべての輝く命のために。 美しく愛にあふれる世界への気づきに繋がる物語です。 はじめに 一の章 10歳の誕生日 二の章 転生 三の章 再会
列車の事故で生き別れとなった二人の男女。愛する家族を一夜にして奪われた一人の侍。家族を支えることに人生を捧げた一人の少女。それぞれの想いはときを超え、新たな生を受けて旅を続ける。叶えることのできなかった願いを秘めてー。名前も知らないあの人も、本当はずっと昔からつながっていた、約束の人なのかもしれない。姿かたちを変えて紡がれる、命の旅の物語。