著者 : 寺尾なつ子
幼なじみのディランとアリサは、固い友情で結ばれていた。やがてそれは淡い恋心へと変わり、大学で再会した二人は、まるで運命であるように恋人としてつき合いはじめた。だが、幸せは一瞬で崩れ去るー泥酔したディランが別の女性とキスしているところを、偶然アリサが目撃してしまったのだ。彼女はディランを二度と信頼するまいと誓い、姿を消した。8年後、思わぬ形で二人は再会を果たす。事故で頭部を強打し、記憶を失くしたアリサを、富豪となったディランが引き取った。私を熱い目で見ながら冷たい態度をとるのはなぜ?彼に日ごと惹かれていくアリサは、ただ戸惑うばかりで…。
18歳年上の銀行家マークとダナが結婚して、2週間。冷静で思慮深く、大人の魅力をたたえた彼にひと目で心奪われ、周囲に祝福されて花嫁となった。でも、幸せの絶頂にいるはずのダナは無垢なままでいることに不満を募らせていた。結婚初夜、夫は17歳の妻とはベッドを共にしないと宣言したきり、ダナに指一本触れようとしない。わたしは身も心も彼と結ばれたいのに。どころが、マークがつい口にした言葉を聞いて、ダナは愕然とする。“脅迫”-この結婚はダナの父親に脅された結果にすぎない、と。打ちのめされたダナが、優しく慰めてくれる夫の弟に心を許すと、それに気づくや、マークは怒りを露わにし、妻を我が物にしようと…。
ロサンゼルスで成功を収めたマギーだったが、何かを逃れるように田舎の家へ移り住んだ。そこで知り合った、逞しい隣人クリフに守られるようにして、慰められる日々が過ぎた。だが、彼女は失った家族のことを忘れられず、そのせいで臆病になり、彼の愛情を受け入れられずにいた。ある日、荒れ果てた庭から白骨死体が掘り起こされる。クリフの亡き母親が、遺体の男と関係があったと知って、マギーの心にじわりとクリフへの不信感が芽生え…。