著者 : 小早川涼
江戸城の台所人・鮎川惣介は、11代将軍の徳川家斉からの召し出しに応じるため、とっておきの利休卵と黒豆茶を膳に載せ、御小座敷へと向かった。だが、上御鈴廊下に差し掛かったところで悪臭を放つ奇妙な女を目撃してしまう。この世の者とは思えない姿をした女は幽霊なのか。震えながら家斉の許へ辿り着いた惣介に、将軍からさらなる食材に関わる難問が課せられる。2種類の昆布に秘められた難題とは?シリーズ、堂々の完結。
将軍家斉お気に入りの台所人、鮎川惣介。人並み外れた嗅覚で数々の難事件を解決してきた。文政7年、麻疹の流行が去ったのも束の間、江戸で立て続けに6度もの火事が起こった。直後、惣介は町火消の勘太郎から「火事場で幼馴染みが死んだ真相を調べてほしい」と頼まれる。聞き込みで一連の火事が付け火だと気付き、犯人を捜す惣介。南八丁堀で出会った蛤鍋の亭主から聞いた思わぬ一言で、事件解決へと向かったはずがー。
江戸城台所人の鮎川惣介は、持ち前の嗅覚を頼りに、数々の難事件を解決してきた。ある日、幼馴染みの添番、片桐隼人とともに訪れたなじみの蕎麦屋で、酒に溺れ前後不覚になった旗本、二宮一矢に出会う。二宮が酒をやめる代わりに、惣介が腹回りを一尺減らす約束をしてしまい、不本意ながら食事制限を始める。一方、大奥の廁で赤子の骸が見つかった。内密に事が運ばれていたものの、惣介はまたも、事件に巻き込まれてしまう。
江戸城の台所人、鮎川惣介は、優れた嗅覚の持ち主。共に難事件を解決してきた幼馴染みの片桐隼人の下に、男女の双子が生まれた。喜びもつかの間、隼人の母が放った薄情な言葉をきっかけに、隼人が男児を捨てると言い出して事態は大混乱に。一方、西の丸御膳所で繰り広げられる陰湿ないじめの真相を探るべく、将軍家斉から直々に異動を言い渡された惣介。事態の収拾に奮闘するも、事件が事件を呼びー。人気シリーズ第6弾。
皐月の大雨に見舞われた江戸。江戸城台所人の鮎川惣介は、自宅近所で浸水の対応に追われていた。翌朝、気付くと同居している英吉利人の末沢主水が行方不明に。以前彼が在籍していた天文屋敷へ捜しに行くが、門前払いをされてしまう。焦燥と疲労で倒れた惣介が目覚めると、さらなる騒動が待ち構えていた。一方、娘の鈴菜が嘘をついてまで出掛けていたことが発覚。鈴菜は何を隠しているのかー。人気書き下ろし時代小説第2弾。
上役から大晦と元日の当番を命じられてしまった台所人の鮎川惣介。大晦の夜、幼馴染みで大奥添番の片桐隼人との帰途、飯田町の方で断末魔の叫び声を聞く。斬られたのは、長男の小一郎が指南を受ける読書手習い所の師範代、鰍沢露水だった。その亡骸や取調べの辻番からも不相応に上等な墨の匂いがしており、惣介は不審に思う。翌日、露水のお悔やみを言いに手習い所へ行くと、そこで意外な人物を見かけ、惣介は疑念を深めていく。
「十兵衛に抱かれると、心願がかなう」-噂は江戸の娘たちの間に広がった!「好きな男と夫婦になれた」「形見が高値で売れた」と大評判。だが千代という女の願いは少し妙?「奉公先の御嫡男、田沼龍助様の御出世でございます」。惚れた男との恋の成就ではないって?そして一年後、「千代が亡くなりました」と突然美貌の若侍が出現。彼こそが、龍助であった。
江戸城の台所人、鮎川惣介は、一番の腕の見せ所である八朔祝に非番を言い渡されてしまう。夫婦喧嘩も引き金となって、気落ちしながら日本橋を歩いていると、身投げしそうな大奥女中がいた。案じた惣介は、何とか思い留まらせる。一方、近所の長屋に大量の小判が撤かれ、世間を騒がせていた。下男として雇った麦作が犯人ではないかと怪しんだ惣介は、幼馴染みで大奥添番の片桐隼人と共に、麦作を見張ることにしたのだがー。
江戸城の台所人、鮎川惣介は、持ち前の優れた嗅覚で、幼なじみの御広敷添番の片桐隼人とともに難事件を解決してきた。将軍家斉に料理の腕を気に入られ、御小座敷に召されることもある。惣介は、医師の滝沢宗伯から万病に効く怪しい稲荷寿司があると聞き、調べに行くが、出された茶には阿片が混ぜられていた。一方、大奥では、家斉の側室・美代の方の部屋方が殺されているのが見つかりー。大奥と市井で交錯する謀略とは?
江戸城の台所人、鮎川惣介は、幼なじみの大奥添番・片桐隼人と久々の釣りに出かけた。腕によりをかけた弁当を持参した惣介だったが、なんと若い娘に弁当を盗み食いされてしまう。さらに娘は、落とし物をいただいたと主張し、颯爽と去ってしまうのだった。そんな災難の後日、惣介は、御膳所で仕込み中の酪の中に、毒が盛られているのに気づく。酪は将軍家斉の好物。一体誰を狙ったものなのか?惣介は犯人を捜しはじめるー。
将軍家斉の御膳を料理する江戸城の台所人、鮎川惣介は、優れた嗅覚の持ち主。家斉に料理の腕を気に入られ、御小座敷に召されることもしばしば。ある日、惣介は、幼なじみの御広敷の添番・片桐隼人から、大奥で起こった不可解な衣装櫃の盗難事件を聞く。下手人に納得がいかない隼人とともに、惣介は事件を調べはじめるが、京からやってきた謎多き料理人・桜井雪之丞が彼らに付き纏い、事件には何やら陰謀めいた臭いが漂いはじめるー。
江戸城の台所人、鮎川惣介は、将軍家斉に気に入られ、御家人でありながら御小座敷に召される身。周囲の妬み、僻みは毎度のことながら、此度も将軍から有り難迷惑な頼み事が舞い込んだ。家斉が日本に留めていた異国の男に、料理を教えてほしいというのだ。末沢主水と名付けられた、赤鬼のような容姿の男の扱いに悪戦苦闘する惣介。そんな折、惣介は、江戸城内で囁かれる不穏な噂を耳にするがー。珠玉の書き下ろし時代小説。
旗本家を廃嫡され、生き物捜し屋を始めた椎名貫太郎は、逃げたカラスを追ううち手代殺しの濡れ衣を着せられてしまう。南町奉行所与力・宝妙寺捨六の名推理によって疑いが晴れたのも束の間、女房の千帆と倅の千吉が流行り病で倒れ、懐の寒さに途方に暮れる貫太郎。そんな折、馴染みの野良猫・茶々丸が小判を持ってきてくれた。だが、その金の出所には曰くがあり…。好評シリーズ第二弾。
江戸城の台所人、鮎川惣介は天性の鋭い嗅覚でこれまで数々の難事件を解決してきた。その協力者である幼馴染の親友、御広敷添番の片桐隼人が念願かなって授かったのは、なんと双子の男女であった。が、隼人の母親の心ないひと言から大騒動に。一方、惣介は家斉から西の丸への異動を命じられ、複雑な心境に。西の丸の御膳所では想像を絶する「いじめ」が展開されていた。惣介は、いじめ解消に知恵を絞るが…。