著者 : 小林浩子
図書館員のサイモンの元へ、未知の書籍商から送られてきた一冊の本。それは18世紀のサーカス団長が書いた日誌だった。姿を隠す術を使う少年とマーメイドの少女、少年にタロット占いを教える予言者。さまざまな人物が登場し、ところどころに挿絵がある。そしてなぜか、表紙の裏に母が子供のころに亡くなった祖母の名が記されていた。この本によって、サイモンは祖母と母親を含む母方の女性が、いずれも7月24日に溺死していたと知る。そんなとき、6年以上も家を空けていた妹のエノーラが突然帰ってきた。妹は、一心不乱にタロットカードをめくっている。入水自殺する前の母と同じように。一族には死の呪いがかけられており、妹の身が危ないのではー。サイモンは本を手がかりに家族の秘密を探り始める。
1845年、アメリカの小さな町。ディキンソン家の娘、15歳のエミリーは洒落た身なりの美青年と出会う。身内の問題を解決するため、この町に来たらしい。名のるほどの者ではないと言った、謎めいた彼に惹かれたエミリーは町を案内する約束を交わす。ところが数日後、家の敷地内で男性の死体が発見される。それは先日出会ったばかりの彼だった。彼ーミスター・ノーバディが何者なのか、いったいなにが起こったのかを突きとめたい。その一心でエミリーは慣れない調査をはじめる。瑞々しい感性と抜群の観察眼を持つ、偉大な詩人エミリー・ディキンソンの少女時代を描いた鮮やかな力作!
世界を震撼させる新手の細菌テロか?東京発ロンドン便の機中で若い女性が高熱を発して急死、日本で製薬会社を営む彼女の家族もまた東京近郊の自宅で同じ症状を呈して死亡した。遺体には蚊の刺し痕が…事態を重く見た日本情報部の要請で、英国情報部はジェイムズ・ボンドを日本へ急派する。日本では緊急のG8サミットが開催される予定なのだ。日本へ飛んだボンドは、旧知のタイガー田中と協力して事件の謎を追う。東京で殺し屋の襲撃を退け、特急列車で一路、謀略渦巻く北海道、そして瀬戸内海へ!世界転覆を企む巨魁との対決の結末は。
香港で怪事件が頻発し、英中間の緊張が高まった。追い討ちをかけるように水上レストランで大爆発が起き、多数の死者が出る。すべての事件は、香港に本拠を置く国際貿易会社に関係していた。さらに、オーストラリアの荒野で起きた謎の核爆発で世界の平和は重大な危機に直面する。事態打開の指令を受けたジェイムズ・ボンドはただちに香港へ飛ぶ。だがボンドの目前で、問題の貿易会社のオーナーが爆殺された。背後に潜むのは中国軍か、それとも犯罪組織か…香港壊滅の大陰謀に007が挑む!イアン・フレミング財団公認、007の新たな冒険。