著者 : 尾崎豊隆
大山廃寺(国史跡・小牧市)伝説の謎を解く 「天下三不如意 白河法皇の夢の跡」大山廃寺(国史跡・小牧市)伝説の謎を解く 「天下三不如意 白河法皇の夢の跡」
現愛知県小牧市の東北部に天川山の中腹にある国史跡の大山廃寺跡は、遺跡調査で白鳳時代の瓦が出土している。 ときは江戸時代、僧侶の臥雲と隠居の也有が、幻の大山廃寺の謎に挑む尾張郷土史ミステリー。 宝暦年間、尾張国小牧山近くの玉林寺の庫裏に、小牧の和尚胡蘆坊臥雲と「鶉衣」を書いた名古屋の横井也有がいた。 二人は郷土に伝わる幻の大山廃寺の謎を探り、解明していく。 天川山から尾張白山にかけては墳墓の山といわれるほど古墳が沢山ある。古墳以外に何もない田舎の村に、当時朝廷の屋根が藁拭きの時代に、瓦拭きの大きな寺が出来た。それが平安時代になると無人寺に落ちぶれた。しかし、平安後期には全盛期を迎え、「西の延暦寺、東の大山寺」と呼ばれる巨寺になった。そこには白河法皇の天下三不如意の山法師対策があった。ところが、栄華も長く続かず、仁平二年(一一五二年)、天台宗の山門と寺門の確執により寺は焼き討ちに遭い全焼、和尚と稚児二人が焼死した。 大山寺の創建時の謎、全盛期の謎、そして何故焼き討ちされたのか。分からないことばかリの為に、幻といわれる伝説が生まれ、語り継がれてきた。
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