著者 : 山北めぐみ
1990年、内戦下のスリランカ・コロンボ。戦場カメラマンにしてギャンブラー、皮肉屋で放埓なゲイであるマーリ・アルメイダは、気がつくと冥界のカウンターにいた。自分が死んだ記憶はないが、ここに来る前、内戦を終わらせるための写真を撮ったことは覚えている。写真を公表するため、彼にあたえられた猶予は7回月が昇るまで。生者と死者の入り乱れた狂乱の世界をさまよう、マーリ・アルメイダの地獄めぐりがはじまる。ブッカー賞受賞作。
親友のジャキと恋人のDDに望みをかけ、写真を見つけるために奮闘するマーリ。そこに立ちはだかるのは、復讐を誓う殺された青年革命家、生者と死者を媒介する隠者、爆破テロの犠牲になった博士、冥界最凶の邪神…。陰謀が錯綜し、三つ巴の内戦は激化していく。報復に満ちたこの世界で、それぞれの悲劇が行きつく先は。血と煙と愛でつむがれる、魔術的タイムリミット・ミステリ。
ケンブリッジの川のほとりで、ブロンド美女の遺体が発見された。被害者の日記によれば、女は有名作家エヴァンズの愛人だという。だが容疑者エヴァンズはファンの誇大妄想だと関係を否定する。一方、容疑者の妻クレアは事件が発生した2日前の記憶がなかった。毎朝おととい以前の記憶を失うのだ。そして事件を追う警部も大きな秘密を抱えていたー。誰の記憶も信用できない、新たな衝撃作!
2008年12月、スウェーデンのストックホルム近郊の森で暮らす老人のもとを、2人の男が訪ねた。そして、のちに「史上もっとも華麗で大胆な銀行強盗」と称されることになる犯罪計画が動き出した。標的は、世界最大の警備会社“G4S”の現金保管庫。年齢も国籍もバラバラの男4人は、ビルの屋上に降りたつという、奇想天外な計画を実行に移す。だが、計画は思わぬ方向へー!2009年に起こった強盗事件の真相を暴く問題作。