著者 : 山本博
私立探偵サニー・ランドルがジェッシイのもとを訪れた。パラダイスの新興宗教団体に入信した娘を連れ戻してほしいという両親の依頼を受けたのだ。だが、その両親も心配なのは世間体で、娘に対する愛情は薄い。サニーはジェッシイの協力を得ながら娘のために奔走する。一方、ジェッシイはギャングの下っ端が射殺された事件の捜査に着手した。殺された男のボスは、奇妙なことに別のギャングのボスと隣同士に住み、美しい双子の姉妹をそれぞれ妻としている。ボスたちの邸宅へ聞き込みに訪れたジェッシイが見たのは、嫉妬をおぼえるほど幸福そうな二組の夫婦の姿だった。しかしその直後、くだんのボスの一人が先の殺人とよく似た手口で殺されているのが見つかる。不自然な共存を続けるギャングたちの中でいったい何が起きているのか…。プロとして仕事に邁進するジェッシイとサニー。お互いに破れた愛を引きずってきた二人は、いかなる未来へ向かうのか。愛と警官魂の物語ー巨匠ロバート・B・パーカーによる警察署長ジェッシイ・ストーン・シリーズ、ここに終幕。
公園の木から吊り下げられていたのは、テレビの人気スターの射殺死体だった。たちまちマスコミが殺到し、知事までが捜査に介入してくる。やがて第二の死体が発見され、捜査は難航のきざしを見せ始めた。いっぽうジェッシイのもとには、前妻のジェンがストーカーに狙われていると泣きついてくる。捜査で身動きの取れないジェッシイは、恋人の私立探偵サニー・ランドルにこの件を託すが…二大キャラクターが競演の注目作。
死体は木の枝から吊り下げられていた。だが、手も縛られていないし、首の骨が折れているようすもない。踏み台らしきものもない。「コートの前を開けてみてください」言われたジェッシイが死体の胸を見ると、そこは黒ずんだ血でごわごわになっていた。発見された射殺死体の身元はすぐに判明した。全国ネットのテレビ番組を持つ人気者ウォリー・ウィークスだったのだ。マスコミが殺到し、知事までが介入しようとする。そんな騒動のさなか、第二の死体が発見された。今度はウィークスのアシスタントの女性。ウィークスと同じ銃で射殺されていた。しかも解剖の結果、妊娠が判明する。DNA鑑定による父親はウィークスだった。現在の妻、二人の元妻、周囲の取り巻きたち。容疑者が多いが、みなしっかりしたアリバイがあり、捜査は難航する…。いっぽうジェッシイのもとには、またしても前妻のジェンが難題を持ち込んでいた。レイプされ、ストーカーに付きまとわれているというのだ。ウィークス事件との板挟みになったジェッシイは、恋人の私立探偵サニーにジェンの件を託すが…。警察署長ジェッシイ・ストーンと私立探偵サニー・ランドル。巨匠パーカーの二大キャラクターが夢の競演!ますます好調のシリーズ最新作。
それは、かすかに油の浮いた暗い水の中を、割れた蟹の甲羅や、死んだ魚や、発泡スチロールの破片に混ざって、静かに岸壁に向かって漂ってきた。小さな波にも簡単に浮き上がるそれに、カモメが興味を示し、下には小魚の群れがゆらめいている。「女のようだ。ドレスを着ている」事故か?殺人か?ヨットレースの開催に沸くパラダイスの港に漂着した女性の溺死体は、ジェッシイに大きな謎を投げかけた。レースの参加艇ばかりでなく見物や社交のために、他の州からのヨットや客が、港にはひしめいている。はたして彼女は、どこから来て、どの艇に乗っていたのか…やがて身元は判明した。彼女の名前はフローレンス、住所は遠くフロリダ州のフォート・ローダーデール。彼女と関わりのありそうなヨットのオーナーたちを探るジェッシイだが、捜査は難航する。フォート・ローダーデールの女性刑事から耳寄りな情報が入るまでは…警察署長ジェッシイ・ストーンが暴く、事件の歪んだ背景と、意外な真相。ますます好調の巨匠パーカーが贈るシリーズ最新作。
クリスマス間近のアイソラでショッキングな事件が発生。動物園でライオンに食いちぎられた女性の死体が発見されたのだ。87分署のキャレラと88分署のファット・オリーは被害者が空軍の元パイロットで麻薬の運び屋をして大金を稼いでいたことをつかむ。どうやら背後には国際的な紙幣偽造団が暗躍しているらしい。さらに、けちな空き巣、シークレット・サービス、テロリストまで絡んできて、事件は複雑怪奇な様相を…。金と欲に目がくらんだ悪党どもが繰り広げる狂想曲。国際謀略ものの面白さを加味してスケールアップした87分署シリーズ第51作。
87分署のすぐそばの公園で若い娘の絞殺体が発見された。キャレラは娘がメアリーという修道女だと突きとめるが、不審な点が次々と浮かんだ。修道女だというのに豊胸手術を受けていたこと、質素な生活を送っていながらいつも金銭的に困っていたこと…敬虔で看護婦としても優秀だったメアリーには驚くべき秘密が?一方、マイヤー・マイヤーたちは、犯行後にクッキーを置いておくことから“クッキー・ボーイ”と呼ばれる空巣の捜査に追われていた。そして誰も知らないところでは、キャレラの父親を殺した男が密かにキャレラの命を狙っていた。