著者 : 山本文緒
「金太が好き!」大胆にも、クラスメートの前で佐斗子にライバル宣言してしまった結花。どうしようとあわててみても、あとの祭。好奇の視線がちょっぴりユーウツな毎日なんだ。おまけに、噂を知ってか知らずか、肝心の金太は以前とちっとも態度が変わらない。それが答なの?友達のままでいようってことなの?結花の中でだんだん不安が大きくなり…。好評『黒板にハートのらくがき』の続編。
ひっこみ思案の過去を忘れ、今度こそ明るい学園生活を送るのよ!一大決心(?)とともに高校へ通いはじめた結花。クラスメートの島海緒や彩女とは気が合うし、勢いで入った軽音部も性にあっているみたい。ユーウツの種といえば、昔のいじめっ子・金太と再会したことぐらいだけど、でも不思議。金太とケンカするのさえ、楽しくなってきた気がするの…。学園恋愛ジャンクション、第1弾。
ぼく、ほずみ。親友の股一といっしょにドーナッツ屋でバイトすることになったんだ。もちろん、目的は可愛いGFを見つけるため。で、さっそくふたりして真冬ってコに狙いをつけた。どっちが先に彼女をオトせるか。共有財産のバイクをかけて、オトコとオトコの熾烈な(?)戦いがはじまる。そこへ凶暴性格の赤星や幼なじみのリオコもからんで、うーん、どうやらこの恋、大混線マチガイなし。
あたし、吉田日和。琢磨とカップルになれて初めての夏を迎えたの。一応受験生だけど、せっかくの夏だもの、明るく青春しなくちゃねーのはずだったのに、近頃出るのはため息ばかり。琢磨はバンドに夢中でちっともかまってくれないし、好青年・八木橋くんの優しいアプローチは少しずつ心を揺らしてくみたい。あたし、このまま琢磨とすれ違っていっちゃうの?「きらきら星をあげよう」の続編。
七生は中三、努力のかいあって成績はいい。が、運動だけはダメ。まったく泳げない七生に、保健の先生は「このままでは、赤点をつけるわよ」と脅かす。七生のもう一つの悩みは、どんなに努力しても、クラスメイトの伊戸川君を抜けないことだ。七生は友達のテルコと塾に行くことにした。ところが、その塾には伊戸川君がいた。もっと驚いたのは塾の先生。-水泳を教える塾なんてあるの?
今日は、あたし(大谷リン)の高校の入学式。朝、バス停からその高校までのキャベツ畑のなかの道で、あたしはチョウチョの群れに襲われてしまった。「やだーっ!あっち行ってよぉ!」鞄をふり回し、必死で追い払っていると、突然横からプシューッとなにかがまかれた。見ると、ウェットスーツに身を包んだ男の人が、殺虫剤を片手に、右半分を泥だらけにして笑っていた。な、なんだ、この人?