著者 : 山田有里
過去をなくした天使過去をなくした天使
フェイスは空港で見知らぬ男性から“ミリー”と呼びかけられ、困惑した。人違いだと言って逃げるようにその場は立ち去ったが、数日後、その男性、ジャンニが再び現れて写真を突きつけた。「きみは僕の恋人だった。3年間、ずっと捜していたんだ」そこに写るミリーは、まぎれもなくフェイス自身だった。いったいどういうこと?なぜこんなに胸がざわつくのだろう。3年前、フェイスは身重の体で交通事故に遭い、記憶を失つた。以来、両親を名乗る夫妻のもとで、生まれた息子だけを支えに生きてきたのだ。でも、私がミリーならここにはいられない。彼女は衝動的にジャンニの胸に飛びこむが、突然記憶が蘇り…。
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