著者 : 山田深夜
自衛官だった伯父に憧れ陸上自衛隊に入隊した道畑直也。自衛隊の現実に幻滅し除隊を決めた直後、東日本大震災が起きる。何も出来ずに除隊した後ろめたさを抱える直也は、かつて伯父と交流のあった風間という男を訪ねて北海道へと向かう。未曾有の大震災で災害派遣に行けなかった元自衛官の成長を描く長編青春小説。
恋に破れ故郷を捨てる若者、不意に己の過去を突きつけられた男、失業し家族を失った男、記憶をなくし己の素姓を探す青年、何事にも慎重で冒険しない若者ーー。人は旅をし、人と出会い、ここではない何処かへと誘われる。そしてその先には新しい景色が待っている。「電車屋赤城」で多くの読者を魅了した著者の最新短編集。
涙の再会、微笑ましいスレ違い、喜びの因縁……。バイクとツーリングを通して描かれる人間模様、人(ひと)が旅(たび)する意味と人情の機微を掬い上げる珠玉の短編集。単行本未収録の7編を文庫化に際し追加収録。
バス整備士の江井徹は、横須賀の地下壕で拾った旧日本軍の戦闘機の破片が高値で落札され、俄然“お宝探し”に興味を持つ。しかし、江井は知らず危険に近づいてしまっていた。米軍・自衛隊の管理区域周辺をうろつく江井を、正体不明の連中が襲い始める。一方、首相訪朝に絡む秘密任務など、数奇の警察官人生を送ってきた警視庁公安部の石渡秋彦は、江井の行動確認を命じられる。横須賀出身の石渡も、この土地特有の“捻くれ者”の一人であったー。
ブロークンアローとは重大な核兵器事故のことを指す米軍の符牒である。ベトナム戦争時に、事故に伴って横須賀に核が運び込まれ、今も米軍・自衛隊で核を共有しているという驚くべき話を石渡は聞く。その秘密保持に携わる特殊機関が存在することも。命を狙われ続ける江井に、彼を守ろうとする勢力も現れ、まさに死力を尽くした戦いが勃発。特異な歴史風土を持つ横須賀に蠢く、驚愕の機密と野望とは?スリリングかつ痛快な大スペクタクル活劇!
引きこもりの青年が出会った油まみれの武骨な電車整備士。人の命を預かる車両整備に人生をかけて向き合う愚直なまでに一本気な男達と、消えゆく旧型車両の運命を通して、仕事への愛と誇りを描く感動長編。