著者 : 山田風太郎
2020年の大河ドラマの主人公・明智光秀の謎に、豪華作家陣が迫る 若く野望に燃えていた青年期を経て、織田家での異例の出世、そして本能寺の変へーー。 かるたの札に絡めて、謀反の理由へ大胆に迫った「純白き鬼札」(冲方丁) 事実と虚構を見事に切り分け、謎多き光秀を独自の解釈で描いた「一代の栄光」(池波正太郎) 叛逆者の娘・珠の、ある願いと悲劇の選択を描く「ガラシャ」(植松三十里) など、人気歴史作家による名作短編六編を収録した豪華アンソロジー。 文庫オリジナル。
徳川四代将軍家綱の死去と同時に、劇的な政変が勃発。新将軍には、若年寄堀田筑前守が擁立する綱吉が就任、それまで権勢を誇っていた大老酒井雅楽頭は失脚する。それに伴い、公儀隠密の要職にあった伊賀組が解任され、替って根来衆が登用される。主命を受けた二人の根来忍者、秦漣四郎と吹矢城助は、隠密として江戸を後にした。だが、彼らの行く手には復讐の怨念に燃える伊賀忍者たちの執拗な妨害が…。傑作長猛忍法帖!
同居の老人の奇行に悩まされ追い詰められた主婦が、一線を越えた末に信じがたい事実を知ることになる(「厭な老人」)。静かな部屋で時を告げる古い鳩啼時計には、遠く離れた恋人との悲劇の結末が隠されていた(「鳩啼時計」)など、歴史ある日本推理作家協会賞を受賞し、ミステリー界が誇る作家六名による、幻想と怪奇に彩られた物語を収録した珠玉作短編集シリーズ第五弾。
ジャンルを越え、小説の面白さをとことんまで追求した画期的アンソロジー。最終配本となる第2巻は、日本が世界に誇る忍者・剣豪小説の豊穣な作品群から選りすぐった名編10編を収録。ロマンと活劇の快楽に酔いしれる一巻! ●編集委員/逢坂剛 大沢在昌 北方謙三 船戸与一 夢枕獏 [編集室から] 当初、「忍者」と「剣客」の2巻に分かれていたが、1巻にまとめざるをえなかった。 となると、編集委員の方々も気合いが入る。 どの作品も落としたくない。しかし半分にせねばならない。 豊穣な日本の忍者・剣豪小説から1500枚を選ぶ、という暴挙を敢行してこの10編が残った。 佳作傑作名作が他にもたくさんあることは、承知のうえである。 幸い、はずさざるをえなかった作品の一部を他の巻に散らせることはできた。 [収録作] 【長編】 山田風太郎「甲賀忍法帖」 柴田錬三郎「赤い影法師」 【短編】 綱淵謙錠「讐」 津本陽「隼人の太刀風」 滝口康彦「異聞浪人記」 五味康祐「柳生連也斎」 【掌編】 江國香織「草之丞の話」 清水義範「猿取佐助」 逢坂剛「決闘」 小泉八雲「かけひき」
ときは戦国、主君真田幸村のために暗躍するは猿飛佐助・霧隠才蔵・三好清海入道ら古今無双の忍びたち!上田攻めから大坂の陣まで、乱世のなかで繰り広げられる空前絶後の深謀妖闘を名手六人が描く。決定版真田忍者小説アンソロジー。
小伝馬町の女牢に入ってきた風変わりな新入り、竜君お竜。彼女は女囚たちから身の上話を聞き出し始め……心ならずも犯罪に巻き込まれ、入牢した女囚たちの冤罪を晴らすお竜の活躍が痛快な時代小説!
大坂城を攻め滅ぼし、天下を手にしたはずの家康を驚愕させる情報がもたらされた。真田幸村の秘策により、信濃忍法を駆使した5人のくノ一が秀頼の子を身ごもった。しかもその女たちは愛孫・千姫の侍女の中に潜んでいるという。禍根を断つべく、家康は伊賀忍者の精鋭5人を呼び寄せ、隠密裡にくノ一たちを葬るよう命ずる。性の極致で繰り広げられる凄艶奇抜な忍法合戦。千姫と家康、勝つはのいずれの執念か。忍法帖の究極作。
役人の汚職を糾弾する役所の大巡察、香月経四郎と川路利良が遭遇する謎めいた事件の数々。解決の鍵を握るのは、フランス人美女エスメラルダの口寄せの力!? 意外なコンビの活躍がクセになる異色の明治小説。
性欲絶倫の豪商・西門慶は8人の美女と2人の美童を侍らせ酒池肉林の日々を送っていた。彼の寵をめぐって妻と妾が激しく争う中、両足を切断された第七夫人の屍体が……超絶技巧の伝奇ミステリ!
柳生十兵衛の指導・援護により、からくも会津七本槍を打ち倒していく堀一族7人の女。恐れをなした加藤明成は、七本槍と共に江戸から本拠地会津へと逃げ帰っていく。僧沢庵を伴い、敵陣に乗り込む十兵衛たち。だが、そこには幕府を揺るがす恐ろしい秘密を抱えた異形の幻法使い、芦名銅伯が待ち構えていた!敵地に捕らわれ、絶体絶命の窮地に陥る十兵衛と女たち。果たして彼らの運命は…!?痛快無比な一大忍法帖雄編。
会津大名、加藤明成は淫虐の魔王ともいうべき暗君だった。諌言の末、主家を見限った堀主水は妖異凄絶の武術を持つ会津七本槍を差し向けられ、一族郎党を惨殺されてしまう。唯一生き残ったのは、かよわき7人の女。父や夫の仇討ちを誓う女たちは、剣豪・柳生十兵衛の助けを借り、命懸けの特訓を始める。奔放無頼な十兵衛も陰ながら援護し、悪鬼のごとき敵を討ち果たすべく凄絶な闘いを挑む!十兵衛三部作の記念すべき第一作。
天正18年、時は秀吉が北条を呑み込もうとしていた時代、混乱の世などどこ吹く風の戦場荒らしの風来坊、7人の香具師がいた。気侭な香具師稼業で奔放に日々を送っていたが、北条方の美貌の麻也姫に見咎められ、痛い目に遭わされる。復讐を誓い、麻也姫の貞操を狙う7人。だが、いつしか天真爛漫かつ気丈な彼女に惚れた彼らは、最強の忍者集団・風摩組を敵に死闘を挑む。機智と詐術の香具師忍法が繰り広げられる痛快奇抜な忍法帖。
アパート「人間荘」に引っ越してきた私は、押し入れの奥から1冊の厚いノートを見つけた。歴代の部屋の住人が書き残していった内容には恐ろしい秘密が……ノワール・ミステリ2編を収録。
東京で五十過ぎまで刑事生活一筋に生きてきた八坂は、ある日、車が母子を轢いた現場に遭遇する。居合わせた男の証言によって過失の事故と判明し、運転していた御曹司は無罪に近い判決を受けた。2年後、八坂は証言者が御曹司の運転手として働いているのを知る。その哀しき理由とは…(「証言」)。同情すべき事情、共感できる動機。犯罪者それぞれの背景に心揺れる八坂。だが、それでも…。哀愁漂う連作刑事ミステリ。
紀州藩で密やかに進行する陰謀と転生衆の存在を知った十兵衛。孤剣を抱き、魔人と化したかつての剣豪たちと対峙していくが、ついに最強の敵が立ちはだかる! 十兵衛は仲間を守れるのか。手に汗握る死闘の果てとは!
島原の乱に敗れ、幕府へ復讐を誓う森宗意軒は忍法「魔界転生」を編み出し、名だたる剣豪らを魔人として現世に蘇らせていく。最強の魔人たちに挑むは柳生十兵衛! 手に汗握る死闘の連続。忍法帖の最大傑作。
明治19年、薩摩出身の有馬四郎助が看守として赴任した北海道・樺戸集治監は、12年以上の受刑者ばかりを集めた、まさに地の果ての獄だった。監獄で次々と起こる奇怪な事件に巻き込まれた四郎助が目にしたものとは
空知集治監に滞在する四郎助は、看守長・高野襄と共に監獄を騒がす怪事に遭遇してゆく。ある日、監獄教誨師・原胤昭が命を狙われていることを知り…。薩長閥政府の功罪と北海道開拓史の一幕を描く圧巻の明治小説。