小説むすび | 著者 : 山白朝子

著者 : 山白朝子

怪談専門誌 幽 VOL.27(27)怪談専門誌 幽 VOL.27(27)

いっけん「怪談」よりも「伝奇小説」「時代小説」「ミステリー」のイメージが強烈な山田風太郎。だがその名も『怪談部屋』『二十世紀怪談』をはじめとする初期の奇想小説のみならず、その根幹には常に「怪異なるもの」に対する偏愛が、如実に窺われる。〈忍法帖〉シリーズの忍者たちが繰りだす超絶忍法の数々に脈打つ怪奇幻妖趣味しかり。有名な三遊亭圓朝の怪談復権アジテーション(『真景累ヶ淵』冒頭)から物語が語りだされるゴースト伝奇ストーリー『幻燈辻馬車』しかり。あるいは、死神さながら膨大な「死」の瞬間を凝視した特異なノンフィクション『人間臨終図巻』またしかり。その奔放多彩な文業はまさしく「二十世紀の怪談」を志向していたとも云えるのではないだろうか。今回の特集では、怪談専門誌としての独自のスタンスから、今も多くの作家たちの畏敬をあつめる現代エンターテインメントの巨人「山風(ヤマフウ)」の一面に、斬新なアプローチを試みる。巻頭では水木しげる氏が漫画化し、さらに京極夏彦氏が彩色を施した「大いなる幻術」をカラー12Pで掲載!貴重なインタビュー再録や、筒井康隆氏、貴志祐介氏が語る風太郎作品の魅力、菊地秀行氏、仁木英之氏、花房観音氏による短編競作など計約60P。

怪談専門誌 幽 VOL.24怪談専門誌 幽 VOL.24

世にありとある怪談は、文芸作品であれ映像作品であれ、「事実」と「虚構」を両端に据えた、面妖なるグラデーションのいずれかに位置づけられるはずだ。 その領域を、事実と虚構のボーダーランドと呼ぶことも可能だろう。近年、主に映像分野で注目を集めてきた「フェイク・ドキュメンタリー」もしくは「モキュメンタリー」は、そうした怪談本来の特性をいわば逆手にとることで、日常を切り裂き、現実を震撼させようとしてやまない、いかがわしくも魅力的なジャンルである。おりしも、それら映像作家の営為に挑発されるかのごとく、小野不由美の『残穢』を筆頭に、『幽』で連載中の京極夏彦『虚談』や辻村深月の最新刊『きのうの影踏み』など、虚実皮膜のあわいに果敢に踏み込む文芸作品も相次いでいる。 怪談という表現の本質を、いま一度、見つめ直すために──『幽』次号は「リアルか、フェイクか」というテーマで、怪談表現の過去と現在を総展望いたします。 特集 ◆浅田次郎『神坐す山の物語』ほかをめぐって 浅田次郎氏インタビュー 東雅夫 御嶽山(みたけさん)イベントルポ ◆論考 近世/近代/現代 小二田誠二「フェイク・ドキュメンタリーのルーツとしての江戸実録本をめぐって」 千街晶之「『リング』から『残穢』に至る怪談実話史をめぐって」ほか ◆復刻 平山盧江 ◆特別寄稿 福澤徹三 ◆インタビュー 『残穢』『鬼談百景』監督:中村義洋 ◆座談 NHKドラマ『怪異TV』制作秘話 ◆エッセイ 道尾秀介/花房観音/長江俊和/黒史郎 ◆連載 綾辻行人、小野不由美、京極夏彦、有栖川有栖、初野晴、朱野帰子、高橋葉介、諸星大二郎、柴門ふみ、波津彬子、伊藤三巳華ほか ◆インタビュー 辻村深月『きのうの影踏み』、田中康弘『山怪』ほか

怪談専門誌 幽 VOL.23怪談専門誌 幽 VOL.23

特集 幽霊画大全 2015年夏、東京・上野の東京藝術大学美術館で史上空前の「幽霊画」展覧会(「うらめしや〜、冥途のみやげ展」)が開催されます。幽霊画所蔵で知られる全生庵と近代怪談文芸の開祖でもある三遊亭圓朝のコレクションを中心にした展覧会。そこで本誌でも幽霊画大特集を企画しました。怪談の原風景ともいうべき幽霊絵画と文芸との関わりを、人気作家や気鋭のアーティストによる寄稿・創作を交えて総展望いたします。 圓朝幽霊画コレクションをめぐって 鼎談 安村敏信×横山泰子×平井正修(全生庵住職) 史上初復刻! 鏑木清方「幽霊の絵」 国枝史郎「絵画と妖怪趣味」 ルポルタージュ 東雅夫「北陸幽霊画紀行」 エッセイ 私の愛する幽霊画  高橋克彦 藤野可織 中野京子 松浦だるま 金子富之「幻影写真画」+書き下ろし掌編 「心霊風景」 皆川博子 恩田陸 加門七海ほか 新企画  【小説】朱野帰子 【コラム】お化け好きフォーラム  小説連載 有栖川有栖/綾辻行人/小野不由美/山白朝子(乙一)/京極夏彦 他 実話連載 福澤徹三/中山市朗/松村進吉ほか 漫画連載 伊藤三巳華/高橋葉介/諸星大二郎/押切蓮介/花輪和一/柴門ふみ/漆原ミチほか エッセイ&書評&企画 加門七海/南條竹則/小池壮彦/安曇潤平ほか

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