著者 : 山白朝子
「怪と幽」17号は、特集二本立て! 第一特集 怪を語る イベントや配信などで語られる怪談を楽しむ流れが大きな盛り上がりを見せている。もちろん先駆者は数十年前から「語り」を主軸に活動し、その存在は広く知られてきた。だがいま、さらに新たな語り手がどんどん生まれている。感染症流行時期には配信活動の隆盛があり、その後、リアルな場を共有するイベントも、様々な規模で開催されるようになった。世間では《怪談師》という呼称もすっかり定着。伝統芸能の語り芸とはまた異なる、語り・しゃべりの怪談文化が一大ジャンルとして築かれた。そのように怪談を語る人たちは、そしてそれを楽しむ人たちは、いま何を見つめているのか。現場では何が起こっているのか。現代の怪談語りシーンに迫る。 【インタビュー】稲川淳二 【対談】川奈まり子×吉田悠軌 【対談】はやせやすひろ×夜馬裕 【ルポ】百物語怪談会 【実録】百物語 川奈まり子、チビル松村、はやせやすひろ、深津さくら、松永瑞香、村上ロック、夜馬裕 第二特集 『真・女神転生V Vengeance』 神話や伝承に語られる超常の存在ーー「悪魔」が現代に出現したら、世界はどのように変貌するのか。そんな想像を具体化させたかのようなロールプレイングゲームが「真・女神転生」シリーズだ。 1992年発売の第一作『真・女神転生』以降、30年以上の長きにわたり「メガテン」の通称で親しまれる本シリーズの最新作『真・女神転生V Vengeance』は、今年6月に発売されると、わずか3日間で全世界売上が50万本を超える大ヒット作品となった。太古の神話から現代の都市伝説に至るまで、さまざまな出典の悪魔が織り成す独自の世界観の中、善悪だけでは語りえない重層的なストーリーと、美しくも恐ろしい個性的なキャラクター造形で、世界中のプレイヤーを熱狂させる『Vengeance』。そんな大人気ゲームの悪魔的魅力の根源に迫る。 【グラビア】『真・女神転生V Vengeance』とは? 【インタビュー】小森成雄(ディレクター) & 土居政之(キャラクターデザイナー) 【インタビュー】土居政之 【ガイド】『真・女神転生V Vengeance』 (勝手に)悪魔全書 by怪と幽 【対談】黒 史郎×藤川 Q 特集のほか、連載など多数! 京極夏彦小説新連載も開始!
「怪と幽」15号の特集は「怪と湯」! 世界有数の火山国である日本では、縄文時代から温泉が親しまれていたという。およそ名湯と呼ばれる古い温泉地には決まって開湯伝説があり、神々、鳥獣、名僧、そして異形なるモノが発見した霊泉は、時代を超えて人々を魅了し続けている。本来、湯治場は死に近い場所であり、信仰と深く結びつき、多様な文化を生んだ。『古事記』『日本書紀』、また諸国の「風土記」にも多くの記述があり、温泉は人のみならず神をも癒すものであった。ときに病を抱えた文豪を、傷を負った化け物を治癒している。霊力を宿した湯に解きほぐされた心身は、あの世とこの世の境界をたゆたう。怪しくゆらめく湯けむりの向こうは地獄か極楽かーー。 特集 怪と湯 【復刻】 岡本綺堂「温泉雑記」 【鼎談】 加門七海×南條竹則×東雅夫「霊なる温泉地 〜文人が惹かれる「湯の力」〜」 【寄稿】 伊藤克己「温泉文化を形成する信仰と伝承」 【寄稿】 菱川晶子「神々から鳥獣まで -日本の温泉発見伝説をめぐってー」 【紀行】 村上健司「妖怪旅おやじ 特別編 上田周辺の温泉と鬼伝説を訪ねる 」 【寄稿】 多田克己「温泉に現れたる妖怪」 【紀行】 宮家美樹「京極夏彦、日光へ行く」 【エッセイ】 朱野帰子、有栖川有栖、黒木あるじ、今野敏、つげ正助、内藤了、花房観音、夢枕獏 【ガイド】 村上健司「日本全国「怪と湯」150選」 【ガイド】 朝宮運河「怪異名湯巡り 温泉怪談ブックガイド20+α」 【小説】 京極夏彦、有栖川有栖、澤村伊智、山白朝子、恒川光太郎 【漫画】 諸星大二郎、高橋葉介、押切蓮介 【論考・エッセイ】 小松和彦、東雅夫 【グラビア】 尾崎伊万里、芳賀日出男、佐藤健寿、つげ義春、怪食巡礼 【怪談実話】 渡辺浩弐、青柳碧人、JUN 【情報コーナー】 北沢陶×澤村伊智、似鳥鶏×今村昌弘、尾八原ジュージ×饗庭淵、橋下まこ、オカルトエンタメ大学、大明敦、くらやみ遊園地、大谷亨 etc.…
私の職業は小説家である。ベストセラーとは無縁だが、一応、生活はできている。そして出版業界に長年関わっていると、様々な小説家に出会う。そして彼らは、奇人変人であることが多く、またトラブルに巻き込まれる者も多い。そして私は幸福な作家というものにも出会ったことがない──。 そんな「私」が告発する、世にも不思議な小説家の世界。
「怪と幽」13号は、特集二本立て。 第一特集「怪奇大特撮」。 1954年の『ゴジラ』や1965年の『大怪獣ガメラ』を筆頭に、これまで数多くの特撮作品が制作されてきた。毎年新作が放送される子供向けのTVドラマだけでなく、庵野秀明監督によるリブート作品「シン・」シリーズが次々に話題となり、世界でも「モンスター・ヴァース」が席巻している。怪獣モノのみならずホラーや SFまで含めると、今や「特撮」はエンターテインメントの主役である。かつて「幻想映画」とも呼ばれた「特撮映画」は超自然的な世界を映し出し、怪獣やクリーチャーたちは、人間が畏敬の念や恐怖を抱く自然災害・社会問題の象徴ともされた。怪奇や幻想を形にしてきた「こわい特撮」を、お化け好き諸兄姉に贈る! 第二特集「民俗写真家 芳賀日出男」。 折口信夫の講義に感銘を受け、宮本常一と九州各地を訪ね歩いた、唯一無二の写真家・芳賀日出男。大正十年に満州で生まれ、幼少期からカメラに親しみ、晩年まで写真への情熱が失われることはなかった。昭和から現代にかけて日本も世界も大きく変化し続ける中、芳賀は文化や習俗を大切にする一方で、無闇に変化を否定せず、その地で生活を営む人の思いを汲んでいた。芳賀が遺した貴重な写真には、当時の景色とともに、人間の息遣いが閉じ込められている。昨年十一月に百一歳で逝去した偉大なる民俗写真家の足跡を辿り、在りし日の光景に想いを馳せたい。 ●第一特集 怪奇大特撮 【アンケート】私のトラウマ特撮 朱野帰子、綾辻行人、有栖川有栖、大倉崇裕、大槻ケンヂ、押切蓮介、小野不由美、織守きょうや、唐沢なをき、貴志祐介、佐野史郎、澤村伊智、真藤順丈、高橋葉介、月村了衛、恒川光太郎、Toy(e)、新名智、葉真中顕、平山夢明、深緑野分、福澤徹三、諸星大二郎、山白朝子、和嶋慎治 【インタビュー】京極夏彦、小林靖子、鶴田法男 【寄稿】東雅夫、式水下流 【対談】倉谷滋×円城塔 【レポート】「カイトユウマン」ができるまで ●第二特集 民俗写真家 芳賀日出男 【インタビュー】芳賀日向 【寄稿】棚木晴子、飯沢耕太郎、神崎宣武 ●小説 京極夏彦、有栖川有栖、山白朝子、恒川光太郎、澤村伊智、織守きょうや ●漫画 諸星大二郎、高橋葉介、押切蓮介 ●論考/エッセイ 加門七海、東雅夫、村上健司&多田克己 ●グラビア Toy(e)、芳賀日出男+芳賀日向、佐藤健寿、怪食巡礼 ●怪談実話 梨、若本衣織、鷲羽大介 ●情報コーナー 角川ホラー文庫30周年、澤村伊智×新名智、和田正雪×吉田悠軌、高野和明、黒史郎×村上健司、スリラーナイト、戸神重明 etc……
大河ドラマ『鎌倉殿の13人』のヒットで注目を集める「鎌倉」は、古代から平安期まで続いた中央集権の国家体制が、地方軍事政権へ置き換わる中で生み落とされた運命の都ーー。武士(御家人)を中心としたその社会では、合戦、暗殺、粛清で、多くの血が流れ、様々な悲劇が起こりました。一方で歴史の裏側では、陰陽師や新仏教の宗教家たちが活躍しています。また、明治以降は保養地として名だたる文豪たちに愛されました。六百年を超える年月を経て、怪異と幻想の壮大な集積場となった「鎌倉」を焙り出します。 第二特集は有栖川有栖氏の人気シリーズ「濱地健三郎の事件簿」。本シリーズの大ファンという山崎ハルタ氏と有栖川氏の対談や著名人による熱烈メッセージなどをご紹介します。 ●第一特集 鎌倉 【対談】澤田瞳子×米澤穂信 【小説】武川佑 【寄稿】山田雄司、赤澤春彦、千街晶之、荒俣宏、東雅夫、吉田悠軌、中野晴行 ●第二特集 濱地健三郎の事件簿 【対談】有栖川有栖×山崎ハルタ 【ガイド】千街晶之 【寄稿】一穂ミチ、今村昌弘、織守きょうや、佳多山大地、マギー ●小説 京極夏彦、小野不由美、有栖川有栖、山白朝子、恒川光太郎、澤村伊智、織守きょうや、新名智 ●漫画 諸星大二郎、高橋葉介、押切蓮介 ●論考/エッセイ 加門七海、東雅夫、村上健司&多田克己 ●グラビア ぺい、芳賀日出男、佐藤健寿、アニメ『ちみも』、怪食巡礼 ●怪談実話 藤木稟、田中俊行、神沼三平太 ●研究会レポート 久禮旦雄、河津創、松田祥平、井上真史 ●情報コーナー 東雅夫×円城塔、貴志祐介、澤村伊智、鵺野莉紗×荒川悠衛門、デニス(植野行雄、松下宣夫)、浅沼晋太郎×土田玲央×牛抱せん夏、中川朝子、相田一成、杉本好伸 etc……
破綻しかけた家庭の中で、親を選択することを強いられる子どもたちの受難と驚くべき結末を描いた表題作ほか、「時間跳躍機構」を用いて時間軸移動をくり返す驚愕の物語「地球に磔(はりつけ)にされた男」など全11編、奇想と叙情、バラエティーにあふれた「ひとり」アンソロジー。
太古より人々の営みは呪(しゅ)とともにあった。 縄文時代の遺跡からは無数の呪具が出土し、記紀をはじめ古代の書物には呪詛が溢れ、陰陽師たちの占いは政治に絶大なる影響を及ぼした。呪術はファンタジー世界の魔法でも、科学が未発達であった過去の遺物でもない。日本人は現代でも様々な局面で神仏に祈願し、マジナイやゲン担ぎにまみれて暮らしている。人間の切なる祈りや欲望を表出するツールとして、いまも世界中で脈動しているのだ。特集では、そんな呪術の「領域」にフォーカス! 京極夏彦「了巷説百物語」ほか豪華連載も充実! ●特集 呪術入門 【インタビュー】 小松和彦 「呪術とは何か」 【寄稿】 川田牧人 「日常生活に浸透する現代呪術 -ポップでライトでカジュアルでー」 【寄稿】 三国信一 「暮らしの中の呪物」 【寄稿】 荒俣宏 「アクションとしての呪詛 -中世鎌倉の「祈祷」と観音霊場」 【対談】 加門七海×角悠介 「呪術には国民性が表れる!? ルーマニアと日本との比較」 【寄稿】 山中由里子 「呪物としての偽マンドラゴラ」 【エッセイ】 郷内心瞳、田中俊行、田辺青蛙、内藤了、はやせやすひろ、渡辺シヴヲ 「私の呪物コレクション」 【ルポ】 玉置標本+村上健司 「呪術海鮮を味わいタイ!」 【ブックガイド】 朝宮運河 「システムと情念と 呪術作品ブックガイド」 ●特別企画 【インタビュー】 神永学 「心霊探偵八雲、完結。」 ●小説 京極夏彦「了巷説百物語」、松村進吉「丹吉」、貴志祐介「こっくりさん」、有栖川有栖「濱地健三郎の事件簿」、山白朝子「精神感応小説家」 ●漫画 諸星大二郎「槐と優」、高橋葉介「魔実子さんが許さない」、押切蓮介「おののけ!くわいだん部」 ●論考/エッセイ 小松和彦「封印された神と妖怪の記憶を発掘する」、加門七海「オハラヒマジナヒ実習ノヲト」、東雅夫「文豪たちの幽と怪」、村上健司&多田克己「それいけ! 妖怪旅おやじ」 ●グラビア すり餌、芳賀日出男、佐藤健寿、怪食巡礼 ●怪談実話 雨宮淳司、城谷歩、寺崎美紅 ●情報コーナー 諸星大二郎×高橋葉介、花輪和一、富安陽子、天野行雄、片山さあ、宮本幸枝、玉川麻衣 etc……
唯一無二のホラー漫画家・楳図かずおを特集! 「恐怖漫画」の第一人者として他の追随を許さない漫画家・楳図かずおは、一九五五年に貸本漫画家としてデビューする。 六一年に短篇「口が耳までさける時」を発表して以降、次々にホラー漫画を世に送り出し、読者の背筋を凍りつかせた。 ストイックに恐怖を追求する作風は、漫画にとどまらずジャンルを超えた表現者に多大な影響を与えている。 九五年に完結した『14歳』以降、漫画執筆を休止しているものの、色あせない楳図作品は新たな読者を惹きつけ続けているのだ。 そしてこの度、初期名作を一気に味わえるホラーシリーズ「こわい本」が角川ホラー文庫から刊行開始された。 唯一無二の恐怖世界を御堪能あれ! 強力な連載陣もお見逃しなく! ●特集 楳図かずおホラーワールド 【インタビュー】激白! 楳図かずおインタビュー「楳図式ホラーの流儀」 【漫画】復刻! 「のろいの面」楳図かずお 【告知】注目! 「こわい本」刊行開始! 【寄稿】耽溺! 楳図ファンが選ぶ戦慄の一作 伊藤潤二、大槻ケンヂ、小野不由美、片岡愛之助、児嶋都、近藤ようこ、高橋葉介、ピエール瀧、ヒグチユウコ、諸星大二郎 【コラム】仰天! 楳図かずおの軌跡 【コラム】熱唱! UMEZZレコードガイド 【コラム】堪能! UMEZZ映像作品ガイド 【エッセイ】熱愛! 綾辻行人「今さら「ラブレター」なんて……」 ●小説 京極夏彦、小野不由美、有栖川有栖、山白朝子、澤村伊智、近藤史恵 ●漫画 諸星大二郎、高橋葉介、押切蓮介 ●論考/エッセイ/インタビュー 京極夏彦、荒俣宏、東雅夫、加門七海、村上健司&多田克己、鈴木優作 ●グラビア げみ、芳賀日出男、佐藤健寿、怪食巡礼 ●怪談実話 岩井志麻子、牛抱せん夏、しのはら史絵 ●お化け友の会ひろば ナカニシア由ミ、伊藤慎吾、河野隼也、岩名謙太、Apsu Shusei etc……
民話ーー昔話、伝説、世間話といった語り伝えられる物語は、いまも私たちの暮らしの中に息づいている。 明治から昭和にかけて、柳田國男をはじめとする民俗学者たちによって聴き集められた「話」は、一九七〇年代に興った民話ブームで大きな広がりを見せた。 全国の民衆から採集された「話」は、当時の記憶を残す一級資料として、その地に生活する人々の営みを真空保存している。 誰もが知る昔話「桃太郎」にも、様々なヴァージョンの類話が各地域に存在しており、そこには確実に語り手の体温が遺されている。 そして、ネット社会の現代でも「話」は、つねに変化を遂げながら脈を打ち、産声をあげ続けているのだ。 お化け好きをとりこにし続ける、愛おしき化け物のふるさと・民話の魅力を再発見しよう! 強力な連載陣もお見逃しなく! シリーズ最終編「了巷説百物語」が、ついに始動!! ●特集 LOVE 民話 【対談】京極夏彦×黒史郎 【寄稿】飯倉義之、伊藤慎吾、徳田和夫、花部英雄、廣田龍平、間宮史子 【インタビュー】板倉俊之(インパルス) 【再録】ざんねんな民話の世界 ●小説 京極夏彦、有栖川有栖、山白朝子、恒川光太郎、澤村伊智 ●漫画 諸星大二郎、高橋葉介、押切蓮介、波津彬子 ●インタビュー/エッセイ 小松和彦、東雅夫、加門七海、村上健司&多田克己、荒俣宏 ●グラビア 嘉村ギミ、芳賀日出男、佐藤健寿、新作能「アマビエ」、怪食巡礼 ●怪談実話 我妻俊樹、中山市朗、春南灯 ●お化け友の会ひろば 大倉流小鼓方・上田敦史、志村真幸、弘前乃怪、北陸怪談研究会、妖怪朗読家ゆうか、化け通『モンスターハンターライズ』 etc……
「怪と幽」4号では、時代を超えて読み継がれる名作から一部の世代に多大な影響を与えた奇書までーー子どもたち、そしてかつて子どもだったすべての人々に贈るこわ〜い本を特集。子どもたちが初めて出会う「おばけ」を作り上げた、せなけいこ氏のおばけ哲学から、今年で30周年を迎える「学校の怪談」シリーズの常光徹氏へインタビュー、初めて絵本を手掛けた佐野史郎氏と有栖川有栖氏の対談、総勢18名の作家らが選んだ「私のトラウマ本」など、盛りだくさんでお送りします。特別企画として、国際日本文化研究センターの所長を退任された小松和彦氏へのロングインタビューを掲載。強力連載陣も健在です! ●特集 こわ〜い本 ぼくらはお化けと育った 【グラビア】「せなけいこ流おばけの作り方」 【インタビュー】常光徹 「『学校の怪談』と子どもたちの三十年を振り返る」 【対談】佐野史郎×有栖川有栖 「子どもたちに恐怖を」 【アンケート】「私のトラウマ本」 押切蓮介、乙一、加門七海、貴志祐介、小松和彦、近藤史恵、佐藤健寿、真藤順丈、高橋葉介、多田克己、恒川光太郎、東雅夫、平山夢明、松村進吉、宮部みゆき、村上健司、夢枕獏、綿矢りさ 【寄稿】黒坂真由子 「せなけいこのおばけ哲学」 【レポート】「令和の子供たちに訊く! こわ〜い本」 【寄稿】黒史郎 「少年少女雑誌はオカルト記事の宝庫」 【競作】澤村伊智 「赤い学生服の女子」 、芦沢央 「冬に真実は伝えない」 ●特別企画 国際日本文化センター所長御退任記念ロングインタビュー 小松和彦の軌跡 ●小説 京極夏彦/小野不由美/近藤史恵/山白朝子/恒川光太郎/真藤順丈 ●漫画 諸星大二郎/高橋葉介/押切蓮介/波津彬子 ●論考・エッセイ 荒俣宏/東雅夫/加門七海/多田克己、村上健司 ●グラビア 七原しえ/芳賀日出男/佐藤健寿/怪食巡礼 ●怪談実話 朱雀門出/丸山ゴンザレス/田辺青蛙 ●お化け友の会ひろば インタビュー 荒俣宏「妖怪伏魔殿」 インタビュー 南條竹則『ゴーストリィ・フォークロア』 インタビュー 清野とおる『東京怪奇酒』 寄稿 三輪チサ「枚方怪談サークル」 寄稿 方南町お化け屋敷「オバケン」 寄稿 香川雅信「 驚異と怪異 -モンスターたちは告げるー」 寄稿 東洋大学「妖怪 meets SPORTS」 レポート ドラえもん50周年展「ゾ〜ッとするこわい話」 etc
運命の相手と知り、自分の分身のように感じる相手と結ばれたり、結ばれない運命だったり。悲しい恋やコミカルな恋、ロマンチックな恋など「運命」に翻弄される人間の、さまざまな姿を味わえる。男女がかくも違い、だからひかれあうのだ、ということがよくわかる物語の数々。村上春樹、角田光代、山白朝子、中島京子、池上永一、唯川恵という恋愛小説の名手たちによる傑作短編集。あなたも「運命の赤い糸」が見えていますか?奇跡の出会いは、きっとあるーー。人気作家による最高の恋愛小説アンソロジー
【文学/日本文学小説】「どこかでお会いしましたっけ?」少女の目は、左右で色がちがっている。「もうわすれたの? きみが私を殺したんじゃないか」(表題作から)。SF・ファンタジー・ミステリ……夢の異空間へと誘う、バラエティーに富んだ異色 ひとり アンソロジー。
本誌『幽』も、2004年の創刊から、今回で30号を数えることになりました。 思い返せば30年前の平成元年(1989)前後は、日本の怪談文芸やホラーにとって、大きな節目の時期でありました。 昭和63年(1988)には、本格的な国産モダンホラー/怪談文芸にいち早く先鞭をつけた小池真理子の長篇『墓地を見おろす家』が、平成元年(1989)には80年代伝奇バイオレンス興隆の双璧となった両雄の大作──菊地秀行『夜叉姫伝』と夢枕獏『上弦の月を喰べる獅子』が、平成2年(1990)には、稲川淳二『稲川淳二のここがコワインですよ』、木原浩勝&中山市朗『新・耳・袋』、常光徹『学校の怪談』という90年代以降の怪談実話シーンの方向性を決定づけることになる3冊が、そして平成3年(1991)には、90年代の日本ホラー興隆の呼び水となった鈴木光司『リング』、史上はじめてホラーで直木賞を受賞した高橋克彦『緋い記憶』、学術書でありながらその後の怪談文芸やホラー小説にも大きな影響を与えた高田衛『江戸の悪霊祓い師』……まさに、現代日本の怪談文芸は平成とともに始まった! と申しあげても過言ではないでしょう。 あれから30年──平成16年(2004)には史上初の怪談専門誌となった本誌が呱々の声をあげるなど、日本の怪談シーンは右肩上がりに、多様な展開を示して現在に至ります。 いま、平成が終わりを告げ、新たな時代が幕を開けようとするこの時期に、平成という時代に生まれた怪談小説・怪談実話・怪談漫画の全貌を展望する特集を企画した次第です。 『幽』編集顧問 東 雅夫
ゲーム『刀剣乱舞』の大ヒットを契機に若い人たちの間でブームとなり、「お刀女子」といった言葉が生まれるなど、現在も高い文化的関心を集める「刀剣」の世界。実は刀剣と怪談とは、『古事記』や『風土記』の昔から、切っても切れない妖しい関係にあります。 スサノオによる怪物ヤマタノオロチ退治と霊剣「天叢雲剣(草薙剣)」奪取の古代神話は、中世に至ると、ヤマタノオロチの怨霊による霊剣奪還の呪いへと変容を遂げ、『平家物語』の「剣ノ巻」などに語られるとおり、源氏累代の宝剣による妖怪退治の物語群に流入してゆきます。そして近世の読本、浄瑠璃、講談などにおける妖怪退治の武勇伝へと受け継がれてゆくのです。 こうした「破邪の霊剣」の系譜の一方では、所有者を血塗られた殺戮へと誘う「妖刀伝説」も、近世以降さまざまに形を変えて語られるようになります。 刀剣をめぐる妖異不可思議な伝承は、近現代の時代小説はもとより、伝奇アクションやモダンホラー、SFファンタジーなど、多様な文芸ジャンルの作家たちの想像力を掻きたて、多くの名作怪作を育んできました。 このたびの特集では、怪談専門誌ならではの観点から、霊剣妖刀の世界に、エイ! ヤア! トウ! と斬り込んで参ります。 『幽』編集顧問 東 雅夫 巻頭特集「刀剣怪談」 ・巻頭グラビア1 刀剣×怪異「遠野の赤」 描き下ろしイラスト:ホノジロトヲジ ・巻頭グラビア2 鍛刀アルケミー 〜刀剣誕生の神秘〜 ・日本怪談紀行 東雅夫 「蛇と刀の信州路 --千曲川の流れに沿って」 ・エッセイ漫画 かまたきみこ 「天地の刃文 〜長野刀剣あやかし巡り〜」 ・復刻 「アンソロジー 妖剣怪奇」/日夏耿之介「古刀譚」 ・特別寄稿 玉川奈々福×川崎晶平 ・インタビュー 東郷隆、小松和彦、渡邉妙子 ほか 小説新連載 ・京極夏彦 百鬼夜行シリーズ新作 小説連載 ・有栖川有栖/山白朝子/円城塔/織守きょうや 実話連載 ・藤野可織/中山市朗/福澤徹三/小池壮彦/松村進吉/安曇潤平 漫画連載 ・波津彬子/諸星大二郎/花輪和一/高橋葉介/押切蓮介/岸浩史 エッセイ&書評&企画 ・南條竹則 ほか
突然幽霊が見えるようになり日常を失った夫婦。首を失いながらも生き続ける奇妙な鶏。記憶を失くすことで未来予知をするカップル。書きたいものを失くしてしまった小説家。娘に対する愛情を失った母親。家族との思い出を失うことを恐れる男。元夫によって目の前で愛娘を亡くした女。そして、事故で自らの命を失ってしまった少女。わたしたちの人生は、常に何かを失い、その哀しみをかかえたまま続いていく。暗闇のなかにそっと灯りがともるような、おそろしくもうつくしい八つの“喪失”の物語。
「山」と「海」──それは私たち人間にとって、最も身近な「異界」です。深い森の奥や暗い海の底には、今もなお、人知の及ばぬ神秘の世界が広がっています。天狗や山人、海坊主や舟幽霊といった山妖海怪は、そうした異界に対する畏怖の念が生み出したものなのかも知れません。 山の怪異、海の恐怖──それらはまた、小説から実話まで、古今の怪談文芸の得がたい源泉ともなってきました。とりわけ近年は、田中康弘『山怪』シリーズの記録的な大ヒットを契機に、「山の怪談」本が熱い注目を集めています。斯界の先覚者・安曇潤平の一連の著作や『里山奇談』のヒットも記憶に新しいところです。 本誌は2008年刊行の第8号で、いちはやく「山の怪談」を特集し、現在のブームに10年近くも先駆けて、トレンド形成に先鞭をつけました。そこで今回の特集では趣向を変えて、「山」と「海」の怪談文芸を対比的に取りあげます。ふたつの異界のはざまに、私たち日本人が何を垣間見、何を語り伝えてきたのか……御期待ください! 『幽』編集顧問 東 雅夫 特集「山妖海怪、奇奇怪怪」 ●巻頭グラビア 宇佐見まこと書き下ろし「獺祭」+玉川麻衣作品 ●日本怪談紀行/怪談巡礼印象記 恐山から仏ヶ浦へ 加門七海/東雅夫 ●名作復刻 幸田露伴「幻談」/上田哲農「枕」/安部公房・山下彌三左衛門対談 ●競作 安曇潤平/黒史郎/里山奇談チーム ●エッセイ 小池真理子/樋口明雄/朱野帰子/安田登 ●論考 田中康弘/川島秀一 ほか 小説連載 京極夏彦/小野不由美/有栖川有栖/初野晴/山白朝子/円城塔/恒川光太郎/近藤史恵/織守きょうや 実話連載 福澤徹三/中山市朗/松村進吉/安曇潤平/藤野可織/小池壮彦 漫画連載 波津彬子/高橋葉介/諸星大二郎/押切蓮介/花輪和一 ほか エッセイ&書評&企画 南條竹則 ほか 特別企画 「カクヨム異聞選集」選考会リポート 稲川淳二 ほか