著者 : 加門七海
怪談作家の鹿角南は、従妹の嫁ぎ先、菊池家の古い土蔵で見つかった『目嚢』という古文書を預かる。そこに記された怪談に興味をひかれ、菊池家の歴史を調べようとする南だが、まるで誰かが邪魔するように、指が切れ、虫が湧き、一人暮らしの部屋に異変が起こり始める。迫りくる怪異は、止まることなく続いていく…。名手が描く、背筋が凍る傑作長編ホラー小説。
ネット上で2003年より毎夏開催され、大反響を巻き起こしている「ビーケーワン怪談大賞」の名作佳品が一冊に!大の怪談好きで知られる3人の編者が、腕によりをかけて選んだ100編に加え、文庫オリジナル書き下ろし作品8編も収録。
いまインターネットで話題騒然の「3分で読める800字の怪談」シリーズ第二弾。一度読んだら二度と忘れられない(!?)怖い話、不思議な話、奇妙な話、せつない話…三度の飯より怪談が大好物の書き手たちが腕を競った中から、特に評価の高かった作品ばかり全108編を一巻に厳選収録。
選考委員が選りすぐった800字で綴られた実話/創作怪談作品の数々。ビーケーワン怪談大賞からてのひら怪談大賞へ。募集の場が移るなか、見事入賞を勝ち取った作品73篇を収録。短いからこそ才気あふれる、短いからこそ個性豊かな怪談競作集。巻末対談では綿矢りさと東雅夫が徹底解説!
人身事故のため、停車中の通勤電車内。男は網棚付近に漂う黒い靄のようなものを目撃する。他の誰も気づかないが、禍々しい気配を放つ何か…。やがてそれが男に向けて迫ってきたとき、彼を襲った身の毛もよだつ出来事とは?(表題作)実話怪談の名手でもある著者が描く、日常の隙間から立ち現れる怪異の数々!書下ろし作品を含む全八編を収録する。
その古銭に触れた者は終わりなき呪いの連鎖に組み込まれ、二度と逃れることは叶わない。親友を、そして自分自身を救うため、八百比丘尼伝説の迷路に迷い込む青年。紀伊、高野山、若狭と彷徨い歩き、青年が得た恐るべき真実とは?妖しく、美しく織りなす夢幻の恐怖。待望の書下ろし長編小説。
時は平安の世、広才の士と仰がれた小野篁は美しきこと世にまれな、年若い女に恋をする。しかしその女は、篁の“異母妹”だった。みずからの命をすりへらし、来世で出会うことに望みをかける女。だが男は、罪深き恋ゆえに、のちの世で会うことも叶わぬことを知り、現世に女の魂を永遠にとどめようとする。二人の恋の忘れ形見、小野小町。恋を遠ざけ続けた彼女は、やがて自分の中に封じられたさらなる悲劇を知ることになる…。夜ごと地獄の庁に座す魔性の男、小野篁。その女(むすめ)、小町。平安京の闇に葬られた小町の悲恋とは。呪われた一族の血とは。『東京魔方陣』の著者による話題騒然の伝奇小説。