著者 : 岡部宏之
〈拷問者組合〉を追放され、流刑地スラックスからも逃走したセヴェリアンは、今また黄昏に沈む惑星ウールスの荒野を旅していた。やがてセヴェリアンは、兵士の死体に行きあたった。途方もない霊力と叡知を秘めた宝石〈調停者の鉤爪〉をもちいて兵士をよみがえらせたものの、セヴェリアン自身が病に倒れてしまう。熱にうかされた夢のなかで、彼は自分を待ちうける不思議な運命の片鱗を目にした。だが、すべての謎を解く鍵は、セヴェリアン自身に隠されていたのだ!全SF界の絶讃を浴びた「新しい太陽の書」が、宇宙的規模の壮大なクライマックスを迎える堂々の最終巻。ジョン・W・キャンベル記念賞受賞。
グンダリヌはいま〈世界の果て〉にいた。行方不明となった二人の兄を捜すために。愚かな行動によって、家族の領地、財産、階級、すべてを失った二人の兄は、一攫千金を夢みて〈世界の果て〉へ行き、そのまま消息を絶ったのである。惑星ティアマットを離れ、新たな任地ナンバー・フォーで〈主導世界警察〉の警視として職務を遂行していたグンダリヌは、休暇をとり〈世界の果て〉へとやってきたのだ。だがそこで彼を待ち受けていたのは、想像を絶する怖るべき試練の数々であった!俊英ジョーン・ヴィンジが、流麗な筆致で見事に描きあげたファン待望の『雪の女王』の続篇!
惑星ティアマットにいま〈交替〉のときが訪れようとしていた。〈双子〉と呼ばれる太陽がブラックホールである〈黒い門〉に近づくとき、もうひとつの太陽〈夏の星〉は輝きを増し、〈主導世界〉と唯一の連絡路である〈黒い門〉は使用不能となる。ティアマットは通商停止の世界、大宇宙の孤島となるのだ。150年にわたって〈冬の女王〉の治世は終わり〈交替〉を象徴する〈祭り〉とともに、〈夏の女王〉の治世が始まる。だが、〈生命の水〉によって永遠の若さを保つ〈雪の女王〉アリエンロードは、むざむざと〈冬〉を〈夏〉にあけわたす気はなかった…ヒューゴー賞受賞作!
数奇なる運命にもてあそばれるかのように〈夏〉の少女ムーンは惑星ティアマットを離れ、〈主導世界〉の中心ー惑星ハレモークへと連れ去られた。だがその地で彼女は、ティアマットをめぐる数々の問題の真相を知り、そしてまた巫子であることの真の意味を教えられたのだ!〈冬の女王〉アリエンロードのつむぎだした不可思議な糸に捕えられた愛するスパークスを取りもどすべく、ムーンはティアマットに帰還した。だが彼女をそこで待て受けてたのは更なる試練の数々であった…アンデルセンの同名の作品をもとに華麗に描きあげられた傑作サイエンス・ファンタジイ巨篇!ヒューゴー賞受賞作品。