著者 : 岳真也
織田信長の実弟にして、本能寺を生きのび、戦乱の世を生き抜いた茶人・織田有楽斎の視座から武将たちの生きざまを描く。「へたれの源吾」と言われながらも、時代の流れを見通し、家康の死後まで生きた織田有楽斎。その茶の湯と生涯に秘められた思いとはー。
王の法より仏の道ー。天平13(741)年3月、聖武天皇に招かれ、謁見する僧侶がいた。僧の名は、行基。民草を救うため、仏の教えを広めた僧は、その人心への影響力から、朝廷に恐れられ、弾圧すらされた。朝廷から大僧正の位を授けられ、文殊菩薩の化身とよばれた男はどのような生涯を送ったのかー。自然と愛するものに囲まれ、仏の道に目覚める幼年期から東大寺大仏建立、入寂までを丹念に描いた、長篇歴史小説。
波乱の実録!戦国時代末期。血みどろの策謀渦巻く奥三河の地に、おんな地頭として一族と領地領民を守り抜き、井伊の赤鬼と恐れられた宿縁の養嗣子=直政(虎松)を育て上げた次郎法師直虎。数奇な運命に彩られた幕臣筆頭井伊家中興の二人。
虚無僧・胡空は、元越後村石藩の藩士で剣の達人。廻船問屋・葭屋徳兵衛らの誘いで、お上が手を出せない悪を始末する『仕置き業』の世界に足を踏み入れた。越後村石藩の国家老・玉井主税の積年の悪事を暴くため、胡空は故郷の越後へと向かうが…。ベテラン作家、岳真也の好評シリーズ。袈裟をなびかせ巨悪を絶つ!
虚無僧・胡空は、元越後村石藩藩士で剣の達人。廻船問屋・葭屋徳兵衛らの誘いで、お上が手を出せない悪を始末する『仕置き業』の世界に足を踏み入れた。徳兵衛や小三治らが追う抜荷問題の背後に、仇敵・村石藩の国家老玉井主税の影をとらえた胡空は…。ベテラン作家、岳真也の好評シリーズ。尺八奏でて仇を討つ!
虚無僧・胡空は、元越後村石藩の藩士で剣の達人。藩首脳の汚職を知ってしまい、追われる身となった胡空は、人目を避けて江戸の一隅に隠れ住んでいる。胡空の剣の腕と過去を知った廻船問屋の葭屋徳兵衛は、お上が手を出せない悪を始末する闇の稼業、『仕置き業』へと胡空を誘う…。ベテラン作家、岳真也の新境地。念仏唱えて悪を斬る!
アメリカから連れ帰ったアラブ馬の世話をする富樫裕三郎には悲願があった。郷里・三春に残してきたりんとの恋、そして本邦初の競馬場の建設であった。しかし、幕末という時代は、そんな彼をも動乱のなかに巻き込んでいく…。横浜からパリのロンシャン競馬場、そしてドイツのバーデン・バーデンまで、現地取材と綿密な歴史考証を駆使して書き上げた巨編・幕末秘話。
前夜、したたかに酔った私は、女と約束したはずの喫茶店を探して渋谷の道玄坂を一人さまよう。林立するビルの谷間…。おや、ここはその昔、大伯母が旅館をやっていた辺りでは?「オメェサ、ココサ来チャナンネェテ」大伯母の越後訛りが聞こえる…。時間を超え、禁忌の空間に迷い込んだ男の驚愕を描く第1話「渋谷道玄坂」に続き、“私”が生れ育ち暮す東京の此処かしこで地霊に導かれて分け入る迷宮をめぐる連作11話。私小説作家の超私小説。