小説むすび | 著者 : 岸田尚

青年が滞在することになった、美しき母娘が棲む館。そこは、肉体の内部まで精巧に作られたアンティーク・ドールたちであふれ、その中には母娘そっくりのものまであった。人形に惹かれ、母娘だけでなく、人形とも一つになろうとする彼。しかし、そこには大きな秘密があった。“「魂入れ」によって動くからくり人形”とは何なのか…夢と現をさまよう彼に衝撃の事実が告げられる。

ひとつの何かを拒絶したとき、人は、ひとつの何かを背負う（「何処」）。同級生を愛した少年、時の流れは悲しみだけを運んで…（「日々は過ぎて」）。