著者 : 崔実
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デビュー作が芥川賞候補になったわたしは、意外な人物からの電話を受ける。17歳のとき入院した精神科で、患者たちのボスを気取っていた「安城さん」だ。8年ぶりに再会した彼女は、痩せこけ点滴に繋がれながらも、変わらず悪態をつき、わたしの封引した記憶を甦らせていく。閉鎖病棟で出会った仲間たちとの日々、救えなかった親友、そしてー。長い沈黙を越えて、わたしは真実を語り始める。衝撃のデビュー作『ジニのパズル』から4年。魂の再生を描く、圧倒的感動作。第33回三島由紀夫賞候補作。
ジニのパズルジニのパズル
東京、ハワイ、オレゴンと、ジニは学校からたらい回しにされてきた。ホームステイ先で彼女は、五年前の出来事を語りはじめる。在日韓国人として生まれ、朝鮮語がわからないまま過ごした朝鮮学校での日々。居場所を見つけられず、日韓の二つの言語の間で必死に生きるなか、あの日、テポドンが発射される。
ジニのパズルジニのパズル
オレゴン州の高校を退学になりかけている女の子・ジニ。ホームステイ先でステファニーと出会ったことで、ジニは5年前の東京での出来事を告白し始める。ジニは日本の小学校に通った後、中学から朝鮮学校に通うことになった。学校で一人だけ朝鮮語ができず、なかなか居場所が見つけられない。特に納得がいかないのは、教室で自分たちを見下ろす金親子の肖像画だ。1998年の夏休み最後の日、テポドンが発射された。翌日、チマ・チョゴリ姿で町を歩いていたジニは、警察を名乗る男たちに取り囲まれ…。二つの言語の間で必死に生き抜いた少女の革命。21世紀を代表する青春文学の誕生!第59回群像新人文学賞受賞作。
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