著者 : 嶋戸悠祐
K市内で一強の轟家電で競合調査をするR電器の社員は、巨大店舗に溢れる高齢者たちと店員を目撃。懇切丁寧な接客はどこか不気味だった。轟家電のパソコン教室で講師を務めることになった時透稔は、異常に熱心な態度で授業を受け、惜しむことなく法外な料金を払う高齢者たちに違和感を覚える。住人たちは信頼しきっているようだが、轟家電は何かを隠しているのではないかー?そしてK市に潜む、秘密とは。
東城萌絵の将来の夢は、実家の「トージョー電器」をもっと大きな店にして、父親のような誰からも愛される電器屋になることだった。だが、父が交通事故で重傷を負い、店は閉店に追い込まれてしまう。「トージョー電器」を復活させるためには、私が力を付ければよいのではないか。そう思って、全国チェーンの家電量販店「R電器」に入社した萌絵は、役職者でありながら、売り場で立っているだけの係長・水上と出会い…。衝撃の裏側×衝撃のラスト!元家電量販店社員の筆者が実話をもとに描くお仕事ミステリー!
サッカーが好きな少年・六村終夜は、クライメイトの相楽天晴がサッカーの真の天才であることに気づく。たちまち頭角を現し、日本サッカーを変革、さらにW杯で圧倒的な力を示す天晴。純粋な彼を支え続ける終夜。だが突然、破局は訪れたー。その裏側で蠢く、人を支配するためならば手段を選ばぬ怪物。ぬめりとした悪意、果てしなき絶望。禁断の暗黒系ミステリー!
高い塀に囲まれた町、セカンドタウン。その郊外にある井戸から、高校教師の中山が救出された。井戸の底での恐怖体験を教え子の戸丸に語った彼は、病院の屋上から飛び降り命を絶つ。中山が遭遇したという異形の男。町の治安を管理する『自治体』。町の中心にある、さらなる塀で囲まれた『塀の中』と、飛び回る羽虫ー。戸丸は事件をきっかけに町に疑念を抱き始めるが、語り合った友人、祝詞は一編の物語を遺して姿を消す。物語に秘めたセカンドタウンの真実とはー!?