著者 : 川南誠
小沢艦隊に撃破され漂流している米空母エセックス、ラングレー2を拿捕すべく急行する日本戦艦隊。待ち受ける米第七戦艦隊の精鋭。距離3万5000メートルでの壮絶な砲撃戦。最新鋭戦艦のアイオワが一斉射撃を開始する。負けじと大和の46センチ砲九門が火を噴く。見敵必戦を信条とする日本の闘将、宇垣とリーは一歩も退かない。弾撃つ響きは時には高く、時には低くマリアナ沖に鳴りわたる。史上最大の戦艦同士の激突戦は、その後一時間あまり続いた。日本戦艦隊はからくもアイオワ、サウスダコタを撃破するが、多数の命中弾を食らった大和は戦闘不能となり、戦線を離脱していく。日本の明日をかけた若鷲たちの最終決戦の行く方は?シリーズ完結篇。
世界最強の名をほしいままにする米第58機動部隊がマリアナへ近づく。昭和19年6月11日、第303航空隊は紫電改を駆って、グラマンを撃破すべく、テニアン島を飛び立った。来襲した敵機を見事に撃破した“空の艦隊”戦闘機群であったが、米攻撃隊によるマリアナ空襲は今日のみでは終わらない。明日は必ずや温存していた強力な戦闘機を繰り出してくる。テニアン地下司令室で、第一航空艦隊の情報参謀中島中佐と、航空参謀の淵田は額を寄せ合い、対応策を練る。一方、レキシントン2では司令官ミッチャー少将と同参謀長のバーク大佐が、優位に迎撃戦を進める日本軍に対して罠を仕掛けるべく、談合を続けていた。日本の航空戦力を無力化する作戦とは…。燃ゆるマリアナ上空-死力を尽くす大航空戦。
大阪伊丹飛行場。3人の海軍中将が大空を見上げている。そこには、急上昇しながら機体を一回転させる新鋭機の力強い姿があった。ミッドウェー以降、ソロモン、南太平洋と惨敗は続き、無敵を誇ったはずの帝国海軍航空隊に、いまや真珠湾の面影はなかった。一方、アメリカは日本が形勢挽回の機会を逸している間に、「超空の要塞」ことスーパーフォートレスB-29の実戦への投入を着々と進めていた。中部太平洋にこの重爆撃機が配備されれば、日本本土は焦土と化してしまう。アメリカの攻略を阻止するためには、海軍航空隊に陸軍飛行隊を組み入れた“空の艦隊”を一刻も早く再建するしかない。残された時間はあまりに少ない。3人は再び天空を舞う、紫電改を見た。
会津藩士・山本覚馬は幕末において、天皇を推戴する三権分立、国民の能力に応じた税の賊課、人材の教育、貨幣制度の確立と製鉄・商資本の育成など、今日でも立派に通用する日本のあるべき姿を述べている。もし、明治時代からの日本がそうした国造りを進めたのならば、軍閥政府は生まれず、アメリカのような国家となり得たのではないか。しかし現実には、会津藩は戊辰戦争で敗れたため山本覚馬の考えが日の目を見ることはなかった…。物語は、安政6年(1859年),三人の若者が会津藩に招かれたことから始まる。軍事担当の荒井竜之介、技術担当の相原勇次郎、そして財務担当の名代左馬之介。三人の協力を得て、富国強兵を計り、強固な奥羽越列藩同盟をめざす…。幕末から維新にかけての激動の時代を新しい視点で描く、新シリーズ。
日豪講和条約により米豪遮断に成功した日本軍は、連合艦隊を機能別に独立再編。そして、次なる目標、ハワイ攻略に向けて、連合艦隊司令部、大本営戦略局、情報局と共同で作戦の詰めに入った。昭和18年6月12日、ハワイ攻略作戦は発動され、呉、横須賀、佐世保、大湊、トラックから各艦隊は出港、総力をあげてハワイをめざす。一方、勢ぞろいしたアメリカ新太平洋艦隊も、戦局を一気に挽回すべく真珠湾をあとにする。ミッドウェー、ジョンストン、ハワイ、パナマ、カリブ海…。戦火はいよいよアメリカ本土に広がる。シリーズ完結。