著者 : 広津倫子
「まさか考えたことがないのか。自分以外の誰かになるってことを!?」忌まわしき殺人者アーケンハウト。彼は、性的欲求を満たすためでも、金品を強奪するためでもなく、ただ相手の「人生」を奪い取るためだけに殺人を犯しつづける。そんな彼が、名画窃盗犯である大学教授の「人生」を盗んでしまったことから、破滅への道を歩き始める…。人間の深層の欲望を鮮烈な筆致で描いた傑作ミステリー。
エジプトの王女とヘブライ人の若者の間に生まれた、エジプトの王子モーセ。彼は若くして役人となり、ファラオの壮大な建造物の建築現場を監督する。そこで見たのは、祖先アブラハム以来400間、奴隷として過酷な労働に苦しむヘブライ人の姿だった。神の命によりモーセは、民を解放し、約束の地カナンへと率いていくことを決意する。飢えと戦闘に明け暮れながら、モーセは偉大な国民を作ろうとするが、ようやく目前にしたカナンの地にはエジプト軍が立ちはだかっていた-。
静かな田舎町で平凡な主婦が切り刻まれて惨殺された。スタンプラー事件から10年、かつての敏腕弁護士マーティン・ヴェイルは、今では峻厳な検察官として犯罪者から恐れられている。そのヴェイルの前につきつけられる謎の死体の数々。ヴェイルの記憶はいやおうなしに過去の恐るべき事件へとさかのぼった…。法曹界の風雲児、マーティン・ヴェイルを主人公とする、ベストセラー『真実の行方』待望の続篇。
10年後の今も精神病院の厳重警戒病棟に収容されているエアロン・スタンプラーに、面会に行くヴェイル。そこに見いだしたかつての依頼人は、まったくべつの人格になりかわっていた。だがヴェイルには納得できない…。執拗な復讐心と恐るべきトリック。つぎつぎと犠牲になっていく10年前の事件の関係者たち。シカゴを舞台に、凶悪な殺人鬼とマーティン・ヴェイルの死闘がくりひろげられる。
1980年代、アメリカ三大ネットワークの一つNBCで最初のアンカーウーマンとなったジェシカ・サヴィッチ。彼女こそはアメリカン・ドリームを生きた女性だっ。美しく賢く、競争の激しい報道の世界で30歳で成功する。が、つらい過去と秘密があったー。彗星のように現れ、36歳の若さで怪死した実在の人物サヴィッチの華麗なる生涯を描いたノンフィクション。映画「アンカーウーマン」の原案原作。
18歳のロザモンド・ヴィヴィアンはイギリスの小さな島で、愛情のない祖父と二人きりの孤独な生活を送っていた。ある日、祖父のもとを大金持ちのフィリップ・テンペストが訪れる。ロザモンドは自分の倍近い年の、どこか陰のあるテンペストと恋に落ち、二人は結婚してフランスへと旅立つ。しかしやがてロザモンドは、その結婚が罠であり、テンペストの恐るべき秘密に気づき始める-。
’60年代の反戦運動の元闘士ペリー・ヒルダリーが通り魔に撃たれ死亡した。友人ハンク・ザーンは彼の遺言執行人だったが、死の3週間前に遺言が書きかえられていることを発見する。それは実子を完全に排除し、100万ドルの遺産を4人の男女に贈るという意外なものだった。1人は若く美貌の女性キャスター、1人はうさん臭い離婚訴訟専門家。女探偵シャロン・マコーンはそこに犯罪の匂いを嗅ぎつけるー。