著者 : 志岐隆重
[商品について] ー「一等国」となるための旅路ー 誕生してまもない明治政府が急務とすることの一つに、江戸幕府が締結した諸外国との不平等条約の撤廃があった。1871年、その始めの一歩として、条約改正の予備交渉のために、岩倉具視を全権大使とする岩倉使節団が横浜を出発した。しかし、ようやく国際舞台に飛び出したばかりの日本は、老練な諸外国の外交手腕に翻弄され、条約改正交渉は難航していく。本書は、岩倉使節団の一行が西洋世界で何を見て何を学んだのかについて、その足跡を追いながら綴った作品である。日本の外交の源流を知る上でも、格好の内容となっている。 [目次] はじめに 第一章 岩倉一行、横浜を発つ フルベッキの進言 大隈重信、大使案 岩倉具視、大使となる くやしい大隈 ほか 第二章 グラント大統領に謁見 歓迎パーティ 伊藤博文のスピーチ サンフランシスコを発つ ゴールドラッシュの村 ほか 第三章 日米会談、決裂 大久保と伊藤、日本へ 再び「ニューヨーク・タイムズ」 大久保ら、ワシントンに戻る 日米会談、決裂 ほか 第四章 ロンドンは「からっぽ」 ボストン出航 ある投書 タイムズの社説 ロンドン到着 ほか 第五章 ヴィクトリア女王に謁見 銀行倒産 留学生問題 日英会談 岩倉の人物評 ほか 第六章 フランスからオランダへ 図書館と博物館 パリの下水道 天文台 パリの裁判所 ほか 第七章 ドイツ皇帝に謁見 ベルリン市民 ドイツ皇帝に謁見 ベルリンの病院 ビスマルクの演説 ほか 第八章 イタリアをまわる 代理公使の手紙 スエーデン国王に謁見 教育と宗教 スエーデンの週刊誌 ほか 第九章 「帰国せよ」の電信 ウィーン万博 オーストリア皇帝に謁見 スイスのベルン スイス大統領に謁見 ほか 参考文献 著者略歴 [出版社からのコメント] 日本が世界の一等国の仲間入りをするには、不平等条約の撤廃だけでなく、憲法をはじめとした法律や政治体制など、近代国家としての内実を備える必要がありました。本書に登場する伊藤博文が大日本帝国憲法の制定に力を注いだように、条約改正という外交目的の点では失敗した岩倉使節団は、その後の日本の近代化の種を多く持ち帰った旅でもあったと思います。多くの方が本書が喚起する問題について、考える時間をもっていただければ嬉しく思います。 【著者プロフィール】 志岐 隆重(しき・たかしげ) 1938年生まれ。 1962年広島大学卒。 以後、長崎県立高校教諭(社会科)。 1999年退職。長崎市在住。 〈著書〉(歴史ノンフィクション) 『島原・天草の乱』葦 書 房 『天正少年使節』長崎文献社 『長崎出島四大事件』長崎新聞社 『トーマス・グラバーと倉場富三郎』長崎新聞社 『十二回の朝鮮通信使』長崎文献社 『元と高麗の侵攻』長崎文献社 『後藤象二郎と岩崎弥太郎』長崎文献社
[商品について] -開国の波に翻弄された二つの人生ー 遭難によって捕鯨船によって救助され、そのままアメリカへと渡った中浜万次郎は、ゴールドラッシュで帰国資金を稼ぎ10年の歳月を経て帰国した。その翌年、アメリカのペリー艦隊が日本にやってきたことを受けて、幕府は万次郎を呼び寄せて幕臣とし、ペリー艦隊の再訪の際の交渉担当の一員として通訳に起用することを考えていた。一方、万次郎が日本に帰って来たころ、同じように遭難によってアメリカ商船に救助された浜田彦蔵は、サンフランシスコに連れて行かれ、アメリカ政府の対日交渉に利用に利用されようとしていた。 日本の開国に重要な役割を果たしたジョン万次郎と、開国によって帰国し日本で最初の新聞で「海外新聞」を創刊したアメリカ彦蔵、数奇な運命をたどった二つの人生を辿る歴史ノンフィクション。 [目次] ジョン万次郎 篇 はじめに 第一章 ホイットフィールド船長 第二章 捕鯨船フランクリン号 第三章 一〇年ぶりの帰国 第四章 ペリー来航と万次郎 第五章 「万次郎を起用するな」 第六章 咸臨丸の万次郎 第七章 万次郎、大活躍 アメリカ彦蔵 篇 第一章 栄力丸と彦蔵 第二章 税関長サンダース 第三章 彦蔵の受洗と帰化 第四章 リンカーン大統領 参考文献 [出版社からのコメント] 江戸幕府の締結した不平等条約は明治維新の原動力のひとつとなりましたが、同じように遭難によって救助されアメリカに渡った二人の日本人が、それぞれ日本の開国にかかわりながらどの様な人生を歩んで行ったのか、本書を通じて歴史の面白さを味わっていただければ嬉しく思います。 【著者プロフィール】 志岐 隆重(しき・たかしげ) 一九三八年生まれ。 一九六二年広島大学卒。 以後、長崎県立高校教諭(社会科)。 一九九九年退職。長崎市在住。 〈著書〉(歴史ノンフィクション) 『島原・天草の乱』葦 書 房 『天正少年使節』長崎文献社 『長崎出島四大事件』長崎新聞社 『トーマス・グラバーと倉場富三郎』長崎新聞社 『十二回の朝鮮通信使』長崎文献社 『元と高麗の侵攻』長崎文献社 『後藤象二郎と岩崎弥太郎』長崎文献社