著者 : 志村貴子
小説はどこに? 百合はここに。 “女性の物語”と「いま」を紡ぎつなぐ“唯一百合”の文芸誌 ジャンルの壁を越えて新鋭作家が集結、読切全9編収録 百合小説&イラスト6枚(カバー含)+紙書籍だけの描き下ろし有 ここに集う人々が「百合」という大地から大いなる志を抱き、文芸の未来、そして現実世界の未来を志向して立ち上がることを願ってやみません。 -- 逢坂冬馬 注目 百合を読む楽しみを知った児童は、次はどこに向かえばいいのでしょうか。ライトノベルは、初めてのきっかけを与えることができます。その先は? -- みかみてれん 激励 百合はここから、どこへでも。 不安“同期士”の視点から社会を点描するSF『不安スポンジたち』 歯と母と過去をめぐる現代劇『あーちゃんはかあいそうでかあいい』 嘘を重ねていく少女の波乱をハードボイルドな筆致で描く『嘘n』 アラツー×アラサー漫画家志望が共創×狂騒する春夏秋冬のドライブ『東京デザート2019』 など、多様な作家陣が編み出す読切小説&イラストを収録 【小説】 坂崎かおる 『あーちゃんはかあいそうでかあいい』 ーー「歯」から始まるいびつな二人のいびつな交差 山口隼 『嘘n』《n乗目の嘘》 ーーいくつも噓を重ねた先でふいに出会った本当のこと 赤坂パトリシア 『不安スポンジたち』(解説:紅坂紫) ーーふたつのくにを生きる女性のスポンジのようなケアと愛 御神楽 『人よ、子らのスティグマよ』 ーー子どもを望む機械とヒトの、宇宙よりもふかい愛 綾加奈 『過去にはなく、未来にもなく』 ーーだったら燃やしちゃおうか、私たちを縛るものを 紅坂紫 『セイレーン』 ーー風の吹かないこの街で、風を見つけて生きのびろ 伊島糸雨 『躯駆罹彾㣔記』《くくりれいていき》 ーーこの生は無意味でない。その愛は無力でない。 青島もうじき 『ドロステの渚にて』 ーー青は遠くにある色で、あなたは青を纏っていた れむれむ 『東京デザート2019』(作画:ちふり) ーー「乗り換えないんだ?」そのようにして新章は始まる (掲載順・全作読切) 【コメント】 逢坂冬馬 みかみてれん 【イラスト】 表紙:志村貴子 裏表紙:一色 口絵:トアケミカゲ / ちふり 袖絵:AsH(灰) 【装幀】 ブックデザイン:零合舎デザイン室 カバーデザイン:Kaoru Miyazaki
バスケ部の、君と。幼馴染みの、アイツと。朝、いつものバス停のあなたと。久々に会う、お前と。憧れの、彼と。年齢も職業も異なる主人公たちが出会う「初恋」を14名の作家で紡ぐ「5分で感じる」BL小説アンソロジー。
高校生になった小春は生まれて初めて恋をした。隣の席の“おぼろくん”。体は男の子、心は女の子…女装して歩くおぼろくんの助けになりたくて、小春は兄の美容院へ彼を連れて行く。「お兄ちゃん、おぼろくんをもっと綺麗にしてあげて」恋心を伝えられないまま、小春とおぼろくんは徐々に距離を縮めていくー。
父親の看護のためにアメリカに行った秋本のことを、高校生になった歩は全く気にしていないつもりだったが、やはり心のどこかに引っかかっていた。ある晩秋本の夢を見た。翌朝幼なじみのメグも、『ロミジュリ』サポートメンバーも……。案の定、秋本が帰国する。少し背が伸びて。でも、開口一番仲間たちが語ったのは『ロミジュリ』の再活動。秋本はしかも、高校生の漫才甲子園に出場するのだという。何を勝手に、と反発の言葉を口にしても少しだけホッとする歩だった。もう子どもではない、大人の手前の十六歳。若さに揺らぐ気持ちを笑いと涙で描く、大人気青春小説の書き下ろし、続編登場! 1 すべて世は事も無し 2 油断大敵は金言だった 3 ご用はなんですか 4 これまでとこれから 5 ぼくたちの行方 6 気合と愛と漫才を
転校生の歩は、突然クラスメートの秋本に呼び出され告白される。「運命の出会いや。おれと漫才コンビを組んでくれ!」拒みつつも彼のペースに巻きこまれ、文化祭で『ロミオとジュリエット』の漫才劇をやることに。「秋本は、なんでぼくなんかを選ぶんだ」前の学校で不登校になったことが、姉と父を事故死させたのだと自分を責める歩。だが秋本との出会いが、何かを変え始めていた。笑いと友情が繊細に描かれた10代の物語。
漫才劇『ロミオとジュリエット』は学校内外で人気となった。秋本はコンビ続行を熱望し「ロミジュリ」をサポートする仲間との結束も深まる。仲間内で歩が恋した、秋本の幼馴染メグは幼いころから彼が好きで、なぜか猛烈に歩のことをライバル視してくる。複雑な三角関係に悩む歩。やがて受験や卒業シーズンを迎え、みんな一緒に高校に行くのだと信じていた歩たちだったが…。笑いと涙で爽やかに描いた、少年たちの物語。
顔の傷が原因で周囲と馴染めず、高校を中退した直哉は、不思議な青年と出会う。「君の顔にはオリオンがいるんですね」傷をそんな言葉で褒めた青年・蒼史は、小学生の妹・桜月と天文館を営んでいて……?