著者 : 志村貴子
バスケ部の、君と。幼馴染みの、アイツと。朝、いつものバス停のあなたと。久々に会う、お前と。憧れの、彼と。年齢も職業も異なる主人公たちが出会う「初恋」を14名の作家で紡ぐ「5分で感じる」BL小説アンソロジー。
高校生になった小春は生まれて初めて恋をした。隣の席の“おぼろくん”。体は男の子、心は女の子…女装して歩くおぼろくんの助けになりたくて、小春は兄の美容院へ彼を連れて行く。「お兄ちゃん、おぼろくんをもっと綺麗にしてあげて」恋心を伝えられないまま、小春とおぼろくんは徐々に距離を縮めていくー。
高校入学直前、秋本は父親の手術のためアメリカに旅立った。新しい友人もでき高校生活に慣れていきながらも、歩はどこか彼の不在が心に引っかかっていた。そんなある日、秋本が突然帰ってくる。ちょっと大人びた彼を囲んで仲間たちは、漫才コンビ『ロミジュリ』の復活を口にするのだった。変わらぬ秋本の態度に少しだけホッとする歩。もう子どもじゃない、大人の手前の16歳。若さに揺らぐ笑いと涙を描いた大人気青春小説!
転校生の歩は、突然クラスメートの秋本に呼び出され告白される。「運命の出会いや。おれと漫才コンビを組んでくれ!」拒みつつも彼のペースに巻きこまれ、文化祭で『ロミオとジュリエット』の漫才劇をやることに。「秋本は、なんでぼくなんかを選ぶんだ」前の学校で不登校になったことが、姉と父を事故死させたのだと自分を責める歩。だが秋本との出会いが、何かを変え始めていた。笑いと友情が繊細に描かれた10代の物語。
漫才劇『ロミオとジュリエット』は学校内外で人気となった。秋本はコンビ続行を熱望し「ロミジュリ」をサポートする仲間との結束も深まる。仲間内で歩が恋した、秋本の幼馴染メグは幼いころから彼が好きで、なぜか猛烈に歩のことをライバル視してくる。複雑な三角関係に悩む歩。やがて受験や卒業シーズンを迎え、みんな一緒に高校に行くのだと信じていた歩たちだったが…。笑いと涙で爽やかに描いた、少年たちの物語。
顔の傷が原因で周囲と馴染めず、高校を中退した直哉は、不思議な青年と出会う。「君の顔にはオリオンがいるんですね」傷をそんな言葉で褒めた青年・蒼史は、小学生の妹・桜月と天文館を営んでいた。成り行きで天文館に通ううちに、親とのわだかまりや将来の不安がほどけていく。が、蒼史の友人だという「コガネ」の存在が、蒼史の過去に深く関わっていると知って…。