著者 : 文縞絵斗
葛藤葛藤
生まれたばかりの我が子を誘拐され、失意を拭えぬまま夫婦だけの生活を続けてきた三好紗英は16年後、ある女子高生と出会う。少女は誘拐された自分の娘なのではないか?しかし、たとえ我が子だったとしても、今さら名乗り出ては少女を混乱させ心に傷を負わせてしまうかもしれない。少女の幸せと、喪失を抱え生きてきた自分の希望を天秤にかけ、紗英がとった行動は…
依存依存
未婚の母として息子と二人で暮らしていた香奈枝は、友人の紹介で、恭一と出会った。高校生になった息子・真斗にも気を遣ってくれる彼とデートを重ねるたび、心惹かれる香奈枝。やがてお腹に新しい命が宿ったことがわかり二人は結婚する。これからは親子四人で幸せに暮らしていけると思っていた矢先、恭一が何者かに刺殺された。救急隊員に恭一は「知らない男に刺された」と言っていたが、犯行声明から香奈枝は真斗が犯人なのではないかと疑いを持つ…。島田荘司選第13回ばらのまち福山ミステリー文学新人賞受賞。
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