小説むすび | 著者 : 日向由美

著者 : 日向由美

スペイン富豪の疎遠な愛妻スペイン富豪の疎遠な愛妻

魅力的な傲慢富豪との別居は、 ある日突然“時間切れ”にーー 「私の息子は記憶喪失になったのよ! なんとかしなさい!」 事故に遭った大富豪ハビエルの病室で、姑が医師に向かって叫ぶのを、 イギリスから急ぎ駆けつけたエミリーは呆然と見つめた。 19歳で結婚したが、スペインでの孤独な結婚生活に耐えきれず、 ロンドンに戻って大富豪の夫ハビエルと別居して6年。 毎日彼を想い、いつか迎えに来るのを待ったが、時は無情に流れた。 そして今、事故の知らせを聞いて病院に飛んできたエミリーは、 ハビエルがうわごとのように彼女の名を呼ぶのを聞いた。 にわかに状況を理解できずにいたエミリーに、医師が説明する。 「ここ数年分の記憶が白紙状態です。奥様がそばについていてください」 エミリーの異国での結婚生活を孤独なものにした一因である鬼姑は、気に食わない嫁を視界から閉めだしてそこに存在しないかのように振る舞い、彼女を傷つけます。けれども、夫ハビエルの妻を見つめる視線は対照的で……。『億万長者の知らぬ間の幼子』の関連作。

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