著者 : 日本ペンクラブ
髪結いの伊三次は、独立し所帯を持つために貯めた三十両を盗まれるが、犯人は岡っ引きの留蔵の弟分・弥八だと判明し…(「星の降る夜」)。夫・清兵衛の財布から五両が盗まれたことに気づいたおときは、愛人の松太郎が盗んだと思い、新たに五両を工面するがー(「律儀者」)。魚の棒手振りを商う角次郎は、伊勢屋から千両で鰹を買いたいと持ち掛けられ…(「鰹千両」)など全八編を収録。女性作家による捕物帳アンソロジー。
賭場で捕まった瓢六と捕まえた弥左衛門は、おみち殺しの下手人をあげるべく奔走することにー(「地獄の目利き」)。虚弱だった若旦那が別人のように復調し、手代らは『福の神』の仕業に違いないと顔を見合わせるが…(「茶巾たまご」)。緒方章は師の命で禁書を手に入れるべく加島屋と待ち合わせるが、加島屋は何者かに殺されてしまう(「禁書売り」)など全七編を収録。女性作家になる捕物帳アンソロジー。
神田祭の宵宮、金沢町の小町娘お春が殺された。神輿の賑わいに紛れた下手人を追う銭形平次捕物控「赤い紐」。越後屋の娘と人気役者路三郎が消え、駆け落ちかと思われた矢先、さる屋敷蔵から路三郎の助けを呼ぶ声が…。退屈する若さまが、鮮やかに謎を解く若さま侍捕物手帖「お色屋敷」他。藤沢周平、坂口安吾、村上元三など実力派六人の捕物帳、豪華競演!選者池波正太郎が創作秘話を語る対談解説収録。
恋人の髪の匂いから、隠された一面を知る男。一夜の出会いから、過去の真実に気付く少年。軽いゲームのつもりが、危険な賭けに巻き込まれる男。香水の残り香に、恋の行方を悟る女…。飲み物、煙草、装身具、香水など、誰にでもあるお気に入りの一品が、思いがけず日常を反転させるスリリングな瞬間を、ミステリの名手八人が鮮やかに描く。短編小説の醍醐味溢れる、傑作アンソロジー。