著者 : 星野真理
世間を騒がせたフィッツジェラルドの直筆原稿盗難事件から数年後、カミーノ・アイランドの名物書店店主ブルース・ケーブルは相も変わらず精力的に店を切り盛りしている。あのときブルースを追い詰めたマーサーは新作小説を発表。夏のブック・ツアーの締めくくりに「ベイ・ブックス」を訪れる予定だ。そんなとき、巨大ハリケーンの接近で全島民に避難命令が出され、暴風の中で遺体となった島在住の作家が発見された。地元警察の動きは鈍く、友人の死に不審を抱くブルースと書店の夏期アルバイトのニックは独自に捜査に乗り出すー。
ワーキングプアの日常を描いて愛された作家、その文学はどれほどの犠牲のもとに生み出されたのかー没後25年、崩壊と回復の生涯。決定版評伝。NYタイムズ紙「10 Best Books 2009」選出。
愛し方がわからない大人と子ども。人間から忘れ去られた精霊たち。絆を奪われた孤独なたましいがふれあうときオーストラリアの赤い大地に、愛と痛みのコーラスがこだまする。精霊の子に出会ったビリー。語りかける風と精霊に見守られ、少年の旅が始まる-。各国で絶賛された新進作家の話題作。
ニュージャージーの私立高校生アリスは、自分の暮らす世界になんの疑いもなく毎日を送っていた-ある夏、幼なじみで運命の人だと信じていたマシューがメキシコで行方不明になるまでは。深い悲しみに打ちのめされるアリスだが、卒業へと向かう日々をマシューを愛したひとたちと過ごすうちに、ほんの少しずつ変化がおとずれる。大切なひとのために生きつづけること、喪失感の果てにきざす光があるということ、罪をゆるすということ…アリスは死と愛についてひとつひとつ学んでゆく。繊細に、そして驚くほどのリアリズムで著者が描くのは、悼みと勇気、愛と超越、誠実さと記憶が織りなす青春の物語、時におかしみを漂わせ、時に胸を突き刺すそのみずみずしい語り口は、読む者の心を深く震わせる。
生きる意味を見いだせない僕が選んだ“意志のない旅”。迷いこんだ国で待ちうけていたものは-パワフルでナイーヴ、スリリングでセンチメンタル。息をもつがせぬ冒険と哲学の物語。アカデミー賞受賞映画『グラディエーター』の脚本家が贈る、新しい時代の青春小説。