著者 : 最上裕
大企業で思想差別と闘ったIT労働者の自伝的小説 「思想干渉への反発の代償は空しい窓際人生だった。正義を目指す仲間の友情と利己的な欲求の間で、もがき、よろけながら峠を越えてきた。」(帯文より) 一 悩みの始まり・・・5 二 青春のミカン狩り・・・16 三 夢の架け橋・・・24 四 黒い海・・・31 五 上京・・・38 六 山に登って、なぜ悪い・・・43 七 逆流の時代・・・61 八 川に沿って・・・72 九 兄弟以上の絆・・・78 十 自己申告面談・・・82 十一 あさやけ・・・87 十二 別れの手紙・・・98 十三 ブレスレット・・・101 十四 門前カンパ・・・104 十五 父の願い・・・115 十六 オフィスオンピュータ・・・120 十七 ICのロット不良・・・123 十八 会費制結婚式・・・131 十九 えっ、テニスサークル・・・137 二十 後輩たち・・・140 二十一 新工場建設へ・・・145 二十二 学童クラブ・・・153 二十三 変化の予兆・・・156 二十四 面談での昇格要求・・・159 二十五 郷愁・・・172 二十六 第二の人生へ・・・177 二十七 斜陽・・・179 二十八 病魔は突然に・・・187 二十九 奇跡の血流回復・・・198 三十 涙の早期退職・・・204 三十一 離党の選択・・・209 三十二 別れた道の先に・・・215 三十三 ハヤブサの帰還・・・222 三十四 一万人のリストラ・・・228 三十五 希望退職面談・・・232 三十六 最終出勤日・・・239 三十七 薬の副作用・・・240 三十八 桜八幡の大祭・・・246 三十九 異変・・・257 四十 地域のビラ配り・・・260 四十一 人権の旗を掲げて・・・262 四十二 最後のメール・・・267 四十三 不当解雇撤回の闘い・・・273 あとがき・・・278 解説・・・280
プロジェクターなどの映像機器を手がける第一志望の会社に内定した植草雅弘。喜びもつかの間、入社後、飲み会の幹事を強要され、セクハラ被害により適応障害になる。復職が認められず、ワラにもすがる思いでユニオンに加入するがーー。男性のセクハラ被害、現代労働争議の新しい地平を開く実話をもとにした待望の問題作。