著者 : 月宮アリス
後妻の子という理由で実家の伯爵家を出され、王女の侍女として働くイルーゼ。そんな彼女に異母兄から下された命令はなんと『冷徹宰相を誘惑する』こと! どうやら政敵である彼の弱みを握り大貴族に媚びを売ろうという魂胆らしい。しかし相手は頭脳明晰、容姿端麗、言い寄る女はゴミ扱いの冷徹宰相ディートハルト。とてもじゃないがイルーゼに落とせる気がしない。とっとと玉砕してお茶を濁そうと雑なハニートラップを仕掛けてみたら、これがまさかの大成功!? 熱に浮かされたように口付けられ、危うくワンナイトまでしそうになりーー。ハニトラに前のめりで引っかかる宰相様へのイルーゼの次なる作戦はいかに!?
うっかり口にした媚薬のせいで、若き公爵リディウスと一夜を過ごしてしまった男爵令嬢フレア。彼とは良き友人同士だったのに何てこと! その後抵抗する間もなく結婚したけれど、仕事に生きるフレアに公爵夫人の座は荷が重い。そこで新婚早々、法律で離婚可能な半年後に別れることを彼に相談。一方、ずっとフレアに片思いしていたリディウスは大いに焦る。関係を壊すのが怖くて告白できずにいたが、そうも言っていられない。この半年でせめて恋愛対象に昇格すべく、ある作戦を立てるのだがーー。恋には超鈍感な令嬢と友人ポジションに耐える貴公子の、すれちがいだらけの新婚ラブストーリー!
和平のため、隣国の新王エセルバートに嫁いだ王女メルヴィリーナ。初夜、優しく新妻に触れるエセルバードだったがーーなぜか彼は寸前で動きを止め寝室から立ち去った。そのまま一年、寝室を共にしてもらえなくなってしまい王宮では側妃を薦める動きも出てきてしまう。妖精が宿るという王妃の王冠に弱音を吐くメルヴィリーナ。するとその声を聴いた妖精が現れ夫の心の声を(勝手に)聞こえる魔法をかけてきた!? 『今日もメルルは天使だ。このまま空き部屋に連れ込みたい』彼の本音はデレデレ甘々、そしてすごくエッチ!? 心の声に、メルヴィリーナは勇気を出すけど……? 本音の愛は二人を救えるか? 両片思いドタバタHラブコメディ!
伯爵令嬢ノイリエにはうっすら前世の記憶がある。それは当時の夫に冷たい態度をとられ続けるというもの。その上今世は相手の心変わりで婚約破棄され、軽く嫁き遅れ状態。気持ちを切り替えるべく隣国へ向かったところ、なんとそこの公爵閣下に突然求婚されてしまった! しかも彼は自分を前世の夫と名乗り、結婚誓約書まで突き付けてくる熱愛ぶり。前世では塩対応で会話すらなかったのになぜ? まずは友達として付き合いを始めるが、時折愛情を暴走させつつも真摯に見つめてくるレイガルトに、ノイリエも次第に心揺れるようになりーー
魔法使いの家系に生まれながら、魔力を持たないお荷物娘として育った貴族令嬢エリーゼ。危うく好色な中年男の後妻として嫁がされそうになる直前、彼女に求婚したのは、なんとこの国一番の国王付き魔法使いであり、人嫌いと有名なアレックスだった。彼の魅力と真摯な眼差しに抗えず承諾したけれど、こんな落ちこぼれの私になぜ!? それでも新妻を喜ばせようと四苦八苦する不器用夫の姿に、エリーゼも素直に彼を愛するようになる。そんな中、彼女に「緑の精霊の生まれ変わり」と称される不思議な能力が発現したことで、二人の新婚生活にも波乱が起こり始めーー?