著者 : 有沢瞳子
身代わりの花嫁に求められたのは、 献身的な介護と後継ぎづくりだけ。 嘘でしょう? エンリコが交通事故で意識不明だなんて……。 矢も楯もたまらず、ジャンナはすぐに病院へ駆けつけた。 15歳で出会ったときから、ずっと彼に恋い焦がれてきた。 子ども扱いされ、相手にされないまま時が過ぎ、 今や富豪となったエンリコは美女と婚約したと聞く。 それでもジャンナは病床に付き添い、必死に祈り続けた。 5日後。奇跡が起き、エンリコの意識が戻った。 だが医者は冷たく宣告する──下半身に麻痺が残るというのだ。 婚約者は早々に見切って去り、呆然とするエンリコを前に、 ジャンナは誓った。たとえ愛されなくても彼を支え続けようと。 大スター作家リン・グレアムに次いで、ドラマティックなロマンスを数多く生みだしてきたスター作家ルーシー・モンロー。今作では、半身不随の初恋の人と愛なき結婚をしたヒロインの、切ない恋模様を描きます。ヒロインの献身は実を結ぶのでしょうか……?
傲慢で不埒なスペインの伯爵。 でもなぜかその瞳は寂しげで……。 スペインのリゾート地で、キャロラインは父親の豹変を 目の当たりにして凍りついた。まるで取り憑かれたように 賭博に夢中になり、土地や屋敷まで注ぎ込もうとしているのだ。 するとそこへ、思いがけない男性が姿を現した。 7年前、結婚を約束しながら心を踏みにじった大富豪ルイス── 彼はキャロラインの父親に莫大な賭け金の大勝負を申し出る。 お願い、やめて! 懇願するキャロラインをルイスは嘲った。 「ベッドを共にするなら勝負から手を引いてもいい」 さらに、僕の妻になれば父親の借金を棒引きにすると請け合った。 私は受け入れるしかないの? 屈辱の花嫁になる運命を。 大スター作家リン・グレアムの強い影響を感じさせる、スター作家ミシェル・リードのクラシカルな王道ロマンスをお楽しみください。ヒーローとの結婚式直前、彼の父が遺した日記を盗み読んだヒロインは、ヒーローの出生の秘密と真の姿を知ることになり……。
ハーレクイン・ロマンスを黎明期から支えた偉大なレジェンド作家が描いた、豪華なシンデレラ物語を集めました! イタリア侯爵、プレイボーイ社長、美貌の億万長者ーーちょっと傲慢だけれど魅力的なヒーローが、ガラスの靴をなくしたヒロインを追いかけます。
母を亡くしたオリビアは、邪な継父から逃れるため、当時1歳だったサイモンを連れて家出をした。それから逃亡生活を続けながら懸命に働いてきたが、失業してしまう。6歳になるサイモンの難聴が進行するなか、手術代を工面できず、オリビアはやむなく初恋の相手ドレイクに手紙を送る覚悟を決めた。今やホテル王となった彼に頼るのはいやだけれど、ほかに道がなかった。手紙を受け取り、オリビアのもとを訪れたドレイクに向かって、彼女は告げた。「サイモンはあなたの息子よ」君にはキスと愛撫しかしなかったと一笑に付され、オリビアは言い募った。「私の子じゃないわ。母の子よ。そして、父親はあなたなのよ!」
領主に末裔ながら、現在は貧しい暮らしをするクロスビー家。一人娘のレオノーラは若い娘らしい華やかな生活とは無縁で、ばあやと一緒に、家政能力のない両親の世話をしている。あるとき村の老医師が倒れ、新しい医師ガルブレイスがやってきた。先日、みっともなく転んだところを助けてくれた彼との再会に、恥ずかしいような、嬉しいような思いがレオノーラの胸に湧いた。その感情がいったいなんなのか、自分でもわからなかったけれど…。そんなある日、レオノーラがつらい出来事に見舞われて必死に涙をこらえていると、ドクター・ガルブレイスが言った。「誰かの肩にすがって泣きたいときは、いつでも声をかけてくれ」
エンリコが交通事故で意識不明ですって?知らせを受けたジャンナは車を飛ばし、すぐに病院へ駆けつけた。ジャンナにとって彼は、15歳から憧れ続けている大切な人。富豪となり美女と婚約してしまった今でも想いは変わらぬままだ。ジャンナはその日から不眠不休でエンリコに付き添い、祈り続けた。その甲斐あってか5日後、奇跡が起きる。彼の意識が戻ったのだ。だが、その口から出た言葉は耳を疑うような冷たいものだった。「僕の婚約者が見舞いに来るから邪魔をしないでくれ」追い打ちをかけるように医師からエンリコの下半身に麻痺が残ると聞かされ、ジャンナの張りつめた心は粉々に砕け散った。