著者 : 服部まゆみ
画壇の若き俊才にして気鋭の美術評論家・片桐は、妻を亡くした春、満開の桜の下で精霊と見紛う少年と出会ったー。その絶対の美を手に入れたいと願う彼の心は、少年と少年の家族の運命を破滅へと導く。逃れ得ぬ陶酔の迷宮に囚われた男の悲痛な狂気が織りなす、至極のゴシック・サスペンス。
蔦屋敷には、誰も知らない秘密がある…。十二年前の夏に出会った忘れえぬ少女・百合と再会した若き画家の淳。その日から淳の身の回りでは、不可解な事件が起こりはじめる。彼女は聖女か、それとも魔女か?美に囚われた人々の惨劇を描く、欲望と背徳の伝統的ゴシック・ミステリ。
19世紀末、霧の帝都ロンドンを恐怖に陥れた連続娼婦殺人事件。殺人鬼「切り裂きジャック」の謎を日本人留学生の美青年探偵・鷹原と医学生・柏木が解き明かしていく。絢爛たる舞台と狂気に酔わされる名作ミステリ!
森の奥深く囚われた盲目の王女・レイア。父王からの優しく甘やかな愛と光に満ちた鳥籠の世界は、レイアが成長したある日終わりを迎える。そこで目にした驚愕の真実とは……。耽美と幻想に彩られた美しき謎解き!
1888年のロンドンで実際に起きた連続娼婦殺人事件。その残忍な手口から「切り裂きジャック」と呼ばれた犯人を、留学中の日本人青年・鷹原が推理していく。世紀末のロンドンを精緻に描き出した傑作ミステリ!
父王が失脚し、森の中の別荘に幽閉された盲目の姫君・レイア。父と召使いのダフネだけがレイアの世界の全てだった。ところがある日、レイアがそれまで信じてきた世界は、音を立てて崩れ去ってしまうーー。
時は一八八八年、霧深いロンドンの街に跳梁する謎の殺人鬼「切り裂きジャック」の正体を追う日本人の美青年探偵、鷹原惟光と、医学生、柏木薫。綿密な調査、研究に基づき、一世紀以前の著名犯罪を再構成し、北里柴三郎やヴァージニア・ウルフ等々、綺羅星の如き人物を配して真相に迫る服部まゆみ、畢生の大作。