著者 : 朝丘戻
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デビュー20周年! ファン待望の上下巻シリーズ、完結巻! 「ハナ少年」の正体を知った一人(かずと)は 自分たちが夢見た幸せを叶えるため、 彼ともう一度生きていくことを決意する。 しかし彼らの道程にはいくつもの困難があった。 様々な人間と接する中で それぞれ違った「正しさ」と衝突し、懊悩するふたり。 お互いが求める幸福にも齟齬を感じ始め、 離れていきそうになる心を繋ぎとめながら、現実とむきあい続ける。 そして一人が持つ「消す力」の更なる側面も明らかになり、 しかも、その力を持つ者は一人だけではないと気づいて……。 護る者を得て再び人生へ歩みだした男と、 夜の闇をも照らす光り輝く少年の、 花々が咲きほこる極彩色の愛の未来はーー。
このて 左このて 左
その夜、会社員の須賀一人が自宅アパートへ帰りつくと、ドアの前に見知らぬ少年が蹲っていた。彼は、一年前に亡くなった、一人の飼い猫のハナだと名乗る。不審に思いながらも突き放すことができず、「ハナ少年」と同居生活を始める一人。祖父母とハナしか知らない記憶をなぜか語る少年は、やがて一人の孤独な生活と心に変化をもたらしていく。しかし一人には孤独に生きる理由があった。それは自分の手が、「消えろ」と願ったものを消す力を持っていることだった。償いの人生を生きる男と、猫だと自称する光り輝く少年の、花々が咲きほこる極彩色の愛の行方はー。
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