著者 : 朝倉宏景
「お山の腹を満たすために、遺体とその魂が必要です」 風もないのにカラカラとまわる無数の風車 死者が呼ぶ声 死の山が僕らを誘うーー 一気読み必至!俊英が描くノンストップホラー長編 やむを得ない事情で、殺し屋の遺体運搬係となった日置学。浅木というその男の指示のもと、遺体を見捨てられた別荘地の奥に埋めてきたが、そこもそろそろ手狭だという。裏社会では、学の祖母の出身地にある山に遺体をこっそり処理できるという噂があり、浅木に命じられた学は恋人の夢花と共に、祖母が六十年以上前に出たきりの山奥の集落を訪れるが……。集落の神社で祀られている山の頂では、御神体とされる巨石と地面に刺さる無数の風車が異様な雰囲気を纏い二人を誘う。一度は東京に戻った二人だが、山に心を囚われた夢花を救うために学は再び彼の地に向かう。
父の影響で過剰にきれい好きになった日下部朝陽は、東京の民間清掃会社で契約社員として様々な悩みを抱えながら働いている。ある日、隣の部屋に住む同年代の佐野友笑の部屋がゴミで溢れかえっていることに気がつき、驚く朝陽。物を捨てられない友笑は、ゴミを集めてはアート作品を作っていた。二人の距離はいつしか縮まり、親との確執や就職問題、人と関わっていく喜びと難しさ…目の前に立ちはだかる壁を、ひとつひとつ乗り越えていくがー。片付けたい男と片づけられない女。正反対の二人の、未来に希望がじんっと灯る成長物語。
6年前、3億円盗難事件を引き起こし、信用が失墜したサクラ警備保障株式会社。佐久良社長は経営立て直しの中過労で亡くなり、現在は息子の光輝と基輝があとを継いでいる。父は何を守ろうとしていたのだろうか。そして、俺は何を守ればいいのだろうか。答えの出せない弟の基輝は、人事部次長として面接をすると最後に「あなたは何をまもりますか?」と尋ねるようになった。過去、保護観察処分を受けながらも父のコネを使って警備員となった男。交通誘導をしている高齢男性。万引きGメンだったときの失敗がトラウマとなっている女性。戦死した画家の絵にとらわれている小説家。4人の日々を見つめ、自分を顧み、基輝がたどり着いた守ることの意味とはー。
都市対抗野球は大人の甲子園!元プロ投手、ドラフト間近の外国人、現役超高齢監督ー全員、本気。挑戦し続けるチームだけが辿り着けるあこがれの舞台。「夢をみつづけて何が悪い」『あめつちのうた』が話題の著者による再挑戦の物語。
老母と二人で暮らす、ルーズでいい加減なダメ男・大守良行。最愛の母を亡くし、ひとりぼっちになった中二の女の子・都築日向実。日向実を温かく迎え入れた、義理人情に厚い良行の老母・大守光枝。いとこの日向実を陰ながら支えようと心に誓う中三男子・関惟吹。元恋人の良行から精子提供を受け、日向実を生んだ都築街子の遺志で、新たな日常をスタートさせた四人。そんな中、自分の出生の秘密を知った日向実は、ある男を探しはじめるー。シリアスでややこしい父娘の関係をユーモア溢れる筆致で描く、心ゆさぶる長編家族小説。
運動が苦手な雨宮大地は、家族への鬱屈を抱えながら、甲子園球場の整備を請け負う阪神園芸へと入社する。ところが、仕事は失敗続き。自分は本当に一人前のグラウンドキーパーになれるのだろうか?同性愛者であることを周囲に隠す親友・一志や、重い病気を患いながら歌手を目指すビールの売り子・真夏、ケガでプロへの道を断念した、同僚の長谷。大地は同じく「選べなかった」運命に思い悩む仲間たちと関わり合いながら、自らの弱い心を掘り起こすように土へ向き合っていくー。甲子園の神整備、「阪神園芸」が舞台のスポーツ裏方小説!
ロックバンド“サイナス”のボーカリスト洞口光人が突然この世を去った。作詞作曲のすべてを担当してきた若き天才との別れに、残されたメンバー5人の日常は一変する。メジャーデビューを果たし、音楽シーンで注目され始めた“サイナス”の未来は?恋愛や家族の問題に翻弄され、未だ癒えぬ心の傷に囚われる若者たちー。それぞれが悩みや不安、後悔を抱えつつ、自分を見つめなおした先にあった答えとは!?若者たちの等身大の姿を描く青春群像劇。
ある日の朝、母親の言動が17歳に戻っていた。外見は39歳の専業主婦のまま、16歳の息子に向かって「ねぇ、君さ、ウチのピッチ知らない?」と言い放つ。自らの姿に困惑する母・芽衣子を救うため、ひとり息子の潤平が両親の青春時代を追い、たどりついた真実とは。ハートフルな涙が自然と流れる「家族愛」エンタテインメント!
鳥海真琴、十七歳。初恋の人と交わした約束を胸に、強豪野球部の門を叩いたものの、待っていたのは苦難の日々。練習についていけず、試合にも出られず、マネージャー扱い。でも、悩む真琴を優しく見守るチームメートの龍也と徐々に距離が縮まっていき…。一途な少女の想いに心打たれる、ひたむき青春小説!
部員数が足りないヤンキー高校の野球部が、進学校と合同チームを組むことになる。相手は、たった一人の部員、通称「ひとりが丘」さん。偏差値70超えの頭脳と、ありあまる体力がガチンコでぶつかりあい、前代未聞の異次元チームが近くて遠い一勝を目指す。“弱くても勝てる”秘策とは!?落涙必至の青春小説。
都立高の弱小野球部にアメリカからの転校生、クリスが入部する。黒人の父と日本人の母を持つ彼の守備の腕前は超高校級。それに比べてバッティングが粗いクリスに「送りバント」を理解させようとチームメイトは秘策を考えつくがー。笑ったあと、腹底にグッとくる爽快青春小説。小説現代長編新人賞奨励賞受賞作。
小学校で出会った少年との約束ープロ野球選手になる。中学時代に身につけたシンカーを武器に、高校野球の世界に殴り込み。待っていたのは、公式戦にも出られない、マネージャー兼任の日々だった…。鳥海真琴、男子プロのマウンドに立つ初の女子投手。少女はいかにして「現実」を乗り越えていったのか?今日、プロ野球の歴史が変わる!全力で紡がれる感動の長編小説。
部員の足りないヤンキー校野球部が、突如、進学校と合同チームを組むことに。相手はたった一人の野球部員、通称・ひとりが丘さん、もしくは野球部ひとり…。ありあまる気合&体力と偏差値70超えの頭脳が出会い、前代未聞の異次元チームが誕生する。果敢?無謀?“弱くても勝てる”秘策とは!?ヤンキー×天才×美少女=甲子園?小説現代長編新人賞出身の新鋭、魂の受賞第一作!
都立等々力高校野球部。甲子園には程遠い弱小校に、黒人転校生がやってきた。アフロ×高校野球×恋愛が紡ぎ出す軽やかにして熱量あふれる青春ストーリー!。第7回小説現代長編新人賞奨励賞受賞作。