著者 : 木地雅映子
先生は、わたしの秘密の〈魔法使い〉だったーー。 長谷川はんなが通う寒々しい保育園に、突如担任としてやってきた黒原ローズ先生。それから15歳まで、はんなを支えた先生の〈魔法〉とは? 名作『氷の海のガレオン』、話題作『ぼくらは、まだ少し期待している』の著者による、待望の書き下ろし長編。 【目次】 ローズ先生 トム・ティット・トット こどものとも サミール パンチング・ギル 穴 光る本 旅 客 魔法の夜 Hannah 蝶々の渡り
町田そのこ氏、おすすめ! 「自分を誰かに明け渡さない。それが、誰かを救うことにもなるのだ」 札幌の進学校に通う土橋輝明は、数学と生物が得意な高校3年生。同学年の特進クラス国立文系で第一志望は北大文学部という秦野あさひとは、「優等生」同士ということで、学校行事にペアで駆り出されることも少なくない「腐れ縁」だ。ある日、あさひに相談を持ち掛けられた輝明は、予想外の内容に驚き、思わず席を立ってしまう。翌日、彼女が失踪したことを知った輝明は、片親の違う弟で「料理研究部」では彼女の後輩でもある吉川航とともに、その行方を追い始める。彼女はどこへ消えたのか? 輝明は東京へ、そして沖縄へ向かう。徐々にあさひの過酷な生い立ちを知るにつれ、輝明は……。 親に期待できなくても、人生を諦めなくていいーー名作『氷の海のガレオン』『悦楽の園』の著者、10年ぶりの新作長篇。 【目次】 前口上 起 二○一三年七月中旬、北海道札幌市 承 二〇一三年七月下旬、埼玉県所沢市 転 二○一三年七月下旬〜八月上旬、沖縄県那覇市〜慶良間諸島 結 二○一三年十二月下旬、北海道札幌市 納め口上
どこか不思議で、すこし謎めいていて、いつか読んだような心に温かみを覚える短編集。美しい毛並みの毛虫に心奪われてしまった少女の選択は?素敵な声のかえると行く砂漠の旅の果ては?森の中に棲む大女の家の暖炉の裏から聞こえる声は…?いけにえを捧げる村の風習に抗おうとした一家の行く末は…?物語が、物語を越えて再帰する、新たな「物語」を紡いだ一冊。
大島柚子は、近所の銭湯「松の湯」が大好きな十七歳。家族には問題アリ、将来はまだ見えず。いろいろ不安はあるけど、現実感はない。お湯さえあれば幸せだ。そんな柚子が、松の湯に通う大学生・福一と出会う。反発しつつ、どこか気になる。これってもしかして恋ー?どこかおかしな男女が出会い、やがて最強の人生を歩き出す。お湯が引き起こす幸せな奇跡の物語。
「和菓子」をモチーフに、短編を一作書いていただけませんか?読書家としても知られる『和菓子のアン』の著者・坂木司が、今いちばん読みたい人気作家たちに執筆を依頼。日常の謎を描くミステリーから、壮大な世界観を展開するSF、心温まる優しい怪談まで、さまざまな読み味の作品が揃いました。疲れたときに読みたくなる、宝箱のような一冊。