著者 : 本山賢司
星の降る森で星の降る森で
叔父に連れられて入った森の奥には“何か”が潜んでいた。風の匂い、魚の影、樹の枝の音、獣の気配…。でも僕らが感じていた何かは、焚火を消した時に凄いスケールで空に姿をあらわした。表題作「星の降る森で」を始め、死の瞬間から大きさ、形、重さを刻々と変える熊の最期を写し取った「星屑のような命」など、森羅万象の底に流れる“静謐な激しさ”を見事に伝える9つの短編小説。
星の降る森で星の降る森で
「焚火でいれたコーヒーは、たまらない味がする」-。森に入り、火を燃やし、物を食う。星の下で眼る。そこから生まれる物語の数々。登山家、猟師、釣師、少年、物動たち、そして都市生活者。野性とともに生きるものたちの、厳しくも美しい生の輝きを、渾身の力をこめて描く。アウトドア文学に、まったく新しい才能の出現。
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