著者 : 朴垠貞
別れの谷別れの谷
「わたしのことを記憶しつづけていてください」 夢から覚めたとき、それは見捨てられた駅が話しかけてきたのだと思った。この小説はそんなふうにして生まれた。 だから、二人の男、それから二人の女をめぐるエピソードより成るこの小説の本当の主人公はあの簡易駅なのだ。 「別れの谷」という悲しき名を背負ってそこに生まれた駅は、もはや皆からは忘れられ、跡すら残すことなく、 ひとり消え去ろうとしている…… ( 作者のことばより ) プロローグ 秋ーー別於谷の詩人 夏ーー別れの谷 冬ーー帰路 春ーー指 エピローグ 著者の言葉 作品解説
PREV1NEXT