著者 : 杉田望
高給をはみながら、国民銀行にたかり食いをする悪しき習慣、御身大切で、わかっていながら必要な金融施策を打ち出せず、保身に汲々とする幹部たち…中央銀行としての信頼感をすっかり失ってしまった日銀。このままでは日銀は本当にダメになる。広報課長の鷲見洋一は、行内改革のため今こそ立ち上がるべきだ、と同志を募った。まず、行内浄化、これが第一目標だ。鷲見たちは行動を開始した…。
危機への対応は幾つかある。米国が常套とする腕力による解決もその一つだ。しかし、私たちは中国との関わりで幾度も錯誤をやらかしている。その経験を踏まえるならばまずは対中関係のみならずアジア諸国と日本との道義に基づく共栄のアジェンダ(構想)を明示すること、それが実は日本が経済敗戦から立ち直る第一歩となるのではないか。それが本書の隠された主題である。
ビクトリアの丘に風は吹きすさぶ。香港の中国返還を機に、世界のビッグビジネスの激しい闘いが始まった。アジア衛星、香港第二空港計画…香港マーケットを狙って、思惑が入り乱れる。中国をいかにコントロールするか。日本、アメリカ・イギリスの巨大資本が、香港を舞台に展開する熾烈な市場争奪戦。
米国の陰謀か、中国の龍舌に呑まれるか新金融システム戦争勃発。消えた1兆ドルの貿易黒字と崩落の日本経済に起死回生の途「円のアジア化」を策す銀行に立ちはだかる巨大な陥穽…。驚愕の書下し警告経済小説。
会社は誰のものか。30年近くトップの座に君臨してきた会長の妄執と横暴に、ついに怒りが爆発。叛旗を翻した管理職たちは、社内改革に綿密な作戦計画をたてる。一方、ワンマン経営者は人事権を乱用して、切りくずしにかかる。不気味な沈黙の日が続くが、覚悟の対決は目前に迫る。
ビクトリアの丘に風は吹きすさぶ。1997年の返還を前に激しく衝突する世界のスーパーパワー日中米英。はじまりは、天安門事件だった…。アジア衛星、香港第二空港計画は、何を狙う?新鮮な国際経済小説の出現。
半導体をめぐる日本とアメリカの熾烈な駆け引きの裏側を描く。日米経済摩擦を背景に、通産官僚、電子工業界、ロビイストなどの動きを多元的に、かつドラマティックに追う。そして絶体絶命の新しい大危機が。いかに克服するか。アメリカの仕掛けた大胆な戦略を明かし、近未来を洞察した国際ビジネス小説。
「メキシコ沿岸でソ連原潜が事故」というベタ記事を追った商社マン今田総吉は、メキシコ政府が秘かに進める天然ガス開発計画を察知。プラント受注に動きだした途端、米国メジャーの不可解に介入が強まり、イスラム過激派はサウジ油田を爆破する。複雑な世界エネルギー情勢なのか、熾烈をきわめるプラント争奪戦の内幕を描いた経済情報小説。