著者 : 李栄汝
若紫の無窮花若紫の無窮花
在日の女たち。一世、二世、三世の、それぞれの痛みと哀しみのつづれ織り。 「済州島には二度と行きたくない…」 「これまでのようにしか生きられへん」 「男の子でなくてごめん…」 ほとりーー。 記憶を掘り起し、原石をたどれば、同じ光が放射されるだろう。 若紫、限りなく桃色に近い紫色。泉美の家に咲く無窮花の色だ。 無窮花は韓国の国花ーー。 散るときはひっそりと、つぼみを閉じて、ほとりーーと、落ちる。
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在日の女たち。一世、二世、三世の、それぞれの痛みと哀しみのつづれ織り。 「済州島には二度と行きたくない…」 「これまでのようにしか生きられへん」 「男の子でなくてごめん…」 ほとりーー。 記憶を掘り起し、原石をたどれば、同じ光が放射されるだろう。 若紫、限りなく桃色に近い紫色。泉美の家に咲く無窮花の色だ。 無窮花は韓国の国花ーー。 散るときはひっそりと、つぼみを閉じて、ほとりーーと、落ちる。