著者 : 李良枝
刻刻
若くして亡くなった在日韓国人女性作家。日本で生まれ育ち、韓国人の血にわだかまりつつも日本人化している自分へのいらだちとコンプレックス。母国に留学し直面した、その国の理想と現実への想い。芥川賞作家の女の「生理」の時間の過程を熱く語る長篇と、「私にとっての母国と日本」という1990年にソウルで、元原稿は直接韓国語で書かれた講演を収録。
由煕 ナビ・タリョン由煕 ナビ・タリョン
在日朝鮮人として生れた著者の、37歳で夭逝した魂の記録。差別と偏見の苦しい青春時代を越えて、生国日本と母国韓国との狭間に言葉を通してのアイデンティティを探し求めてひたすらに生きた短かい一生の鮮烈な作品群。芥川賞受賞の「由煕」、そして全作品を象徴するかのような処女作「ナビ・タリョン」(嘆きの蝶)、「かずきめ」「あにごぜ」を収録、人生の真実を表現。
ナビ・タリョンナビ・タリョン
伽〓琴に合わせて舞う私の白い蝶。移り行くウリナラの風景の中で、ありのままの姿で変わらずに生きようとする若い女性のほとばしるエネルギーを描く「ナビ・タリョン」。最後の安息を求める無垢で無防備な心に寄せる弔歌「かずきめ」。他に一編収録。在日韓国人二世作家の新しい風・新芥川賞作家の第一作品集。
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