著者 : 村山早紀
母なる星地球が生物の住めない惑星と化してのち幾星霜。人類と共に地球を離れた犬猫は、新しい人類イヌビト(犬人)、ネコビト(猫人)へと進化し、「古き人類」ヒトとともに星の海で暮らしていた。月に住むネコビトの編集者キャサリンは、新聞社の記念事業として興された出版社で“人類すべてへの贈り物になるような本”を作ることになり、宇宙で語り伝えられるクリスマスの伝説を集めてゆく。はるか遠い星で開拓民の少女に“神様”が見せた奇跡を描く「守護天使」、歌や映画、ドラマを載せて銀河を駆ける宇宙帆船の誕生秘話「魔法の船」、時代を遡り、過去の地球での異星人と少女の交流を描く「ある魔女の物語」…。人類への愛に満ちた珠玉の連作短篇集。
毎日こつこつと働き、余暇には本を読み、紅茶を淹れて音楽を聴く。つつましく生きてきた律子に人生の終盤、ある奇跡が訪れる。世界の片隅で起こる小さな魔法の物語。
夢破れて、故郷の長崎へ戻る亮二は荷物をまとめて空港へ。似顔絵画家の老紳士と出会い、思わぬ言葉をかけられる。(『旅立ちの白い翼』)。「本は魔法でできているの」小さな書店を営んでいた祖母の言葉。いま空港の書店で働く夢芽子が出会う、ちょっと不思議な物語。(『それぞれの空』)。恵と眞優梨は三十三年ぶりに空港で再会する。少女の日のすれ違いと切ない思い出を名香の香りに乗せて。(『夜間飛行』)。老いた奇術師幸子は、長い旅の果て、故国の空港に降り立つ。自分の人生が終わりに近いことに気づき、来し方を振り返る。(『花を撒く魔女』)。
「会いたかったひとに会える奇跡」があるなら、あなたは誰に会いたいですか?小さな町の書店と、そこに関わる優しいひとびとの姿を描く、本屋大賞ノミネート『桜風堂ものがたり』最新作!
魔女はすべてを覚えている。ひとの子がすべてを忘れても。どこか遠い空の彼方へ、魂が去って行こうとも。そして地上で魔女たちは、懐かしい夢を見る。記憶を抱いて、生きてゆく。その街は古い港町。桜の花びらが舞う季節に、若い魔女の娘が帰ってきた。赤毛の長い髪をなびかせ、かたわらに金色の瞳をした使い魔の黒猫を連れて。名前は、七竃・マリー・七瀬。目指すは、ひとの子たちが「魔女の家」と呼ぶ、銀髪の美しい魔女ニコラのカフェバー。懸命に生きて、死んでゆくひとの子と、長い時を生きる魔女たちの出会いと別れの物語。
かなりや荘で暮らすことになった茜音は、元漫画家の幽霊・玲司や編集者・美月にその才能を見出され、漫画家をめざすことに。そして新しく創刊される漫画雑誌の「新人賞」を巡り、茜音と美月のコンビに好敵手たちも現れそうで…。そんな折、かなりや荘に怪しい新住人がやってきて、事件が起こる!?傷ついたひとたちが立ち上がる姿を優しく描く人気シリーズ、待望の第二弾。書き下ろし番外編も収録。
古い洋館アパート、かなりや荘。そこには心に傷を抱えた人々が集まるというー。雪のクリスマスイブの夜、母親が失踪し、家を追い出された茜音は、不思議な偶然からかなりや荘に辿り着いた。絵を描くことが大好きだった茜音は、その才能を住人の一人の元漫画編集者に注目される。さらに彼女の部屋に、若くして亡くなった天才漫画家の幽霊・玲司が現れて…。優しく力強い、回復と救済の物語、シリーズ第一弾。
書店に勤める青年、月原一整は、人づきあいは苦手だが、埋もれていた名作を見つけ出して光を当てることが多く、店長から「宝探しの月原」と呼ばれ、信頼されていた。しかしある日、店内で万引きをした少年を一整が追いかけたことが、思わぬ不幸な事態を招いてしまう。そのことで傷心を抱えて旅に出た一整は、ネットで親しくしていた、桜風堂という書店を営む老人を訪ねるため、桜野町を訪ねるのだが…。
「誰かの大切な居場所は、守らなきゃいけないんだ」-入院中の店主から桜風堂書店の店長になってほしいと頼まれた月原一整は、迷いながらもそれを受け入れる。そして彼が見つけた「宝もの」のような一冊を巡り、彼の友人が、元同僚たちが、作家が、そして出版社営業が、一緒になって奮闘し、ある奇跡を巻き起こしていく。田舎町の書店で繰り広げられる、本を愛するすべての人に読んでほしい温かい物語。
もし祈るのなら、この優しい人が幸せであるように祈りたい。寂しい思いも悲しい思いもせずに、泣かないで済むように…。田舎町の書店で起こる優しい奇跡を描いた、本屋大賞ノミネートの話題作、待望の続編!
ある日はるひは、風早の西公園で不思議な女の子と出会う。ちょっとだけ偉そうなその子は、古い桜の木をよりしろにする、土地の神様アカネヒメだった。魔法の力を使えても、まだ幼い神ゆえに、誰の目にも見えず声も聞こえない、ひとりぼっちだった神様とはるひは友達になったー。あの懐かしい、ささやかな奇跡の物語がついに文庫化。書下し「人魚姫の夏」を収録。
鬼は外、福は内。外へ外へと追われた鬼はいったいどこへ行けばいいの?ひなぎくは心を痛め、心で呼ぶのです。鬼さんこちらへいらっしゃい。「ここ」なら誰もあなたを嫌わない。魔法の力に祝福され、不思議を招く竜宮ホテル。今回のお話はひなぎくと節分の夜の物語、「水仙の夢」。小さな書店を響呼が訪う、「椿一輪」。玩具の白猫の魂と懐かしい奇跡の物語、「見えない魔法」など四篇。
古い洋館アパート、かなりや荘で、元漫画家の幽霊・玲司や編集者・美月に見出され、漫画家をめざす茜音。なかなか思うようにいかず焦る中、かなりや荘で事件発生!?そして、美月の編集部にも動きが…。星々をつむぐように、物語は静かに動き出すー。優しく力強い回復と救済の物語、待望の第二弾!!茜音の母・ましろを描いた番外編、「空から降る言葉」も収録。
つかの間千草苑を離れ、亡き妻との思い出のある地へと旅立つ祖父の木太郎。黄昏時、波打ち際に佇む彼に囁きかけるものは(「浜辺にて」)。若さ故の迷いから、将来を見失ったりら子が、古い楠の群れに守られた山で、奇妙な運命を辿った親戚と出会う(「鎮守の森」)。ひとと花、植物たちの思いが交錯する物語。花咲家のひとびとが存在するとき、そこに優しい奇跡が起きる。書下し連作短篇全六話。
雪のクリスマスイブ。母親が失踪し家を追い出された茜音は、天使のような少女の導きによって古い洋館アパート「かなりや荘」に招き入れられる。そこには心の片隅にさびしい廃園を抱えた人々と、道半ばにして亡くなった天才漫画家の幽霊・玲司がひっそりと暮らしていて…。古アパートを舞台に、歌を忘れたかなりや達が繰り広げる、優しく力強い回復と救済の物語。
あやかしを見る瞳を持つ作家・水守響呼が猫の耳の少女・ひなぎくと竜宮ホテルで暮らして初めてのクリスマス。とあるパーティへひなぎくとともに訪れると、そこには幻のライオンをつれた魔術師めいた少女がいて…。謎の少女と呪いの魔術を巡る第一話。元アイドルの幽霊と翼ある猫の物語の第二話。雪の夜の、誰も知らない子どもたちの物語のエピローグで綴る、奇跡と魔法の物語、第二巻。書下し。
「約束するよ。いつかきっと、ぼくがきみを助ける」優は、臨に誓うように言った。-医師をめざす少年・臨の家に同居することになった、弱気で引っ込み思案の従兄弟・優。しかし臨の家庭も、かつて事故で兄・律が亡くなったことが影を落としていた。それでも明るく振る舞う臨だったが、その限界を迎えた時、思わぬ出来事が…。少年たちの勇気と友情が、温かい感動とさわやかな興奮を誘う冒険物語、開幕。