著者 : 東谷穎人
人生の旅人たち人生の旅人たち
スペイン文学における幻の高峰、待望の完訳!幼年期の春、青年期の夏、壮年期の秋、老年期の冬。人生の四季を旅する二人の男、クリティーロとアンドレニオ。深い縁で結ばれた彼らの行く手に待ち受けるのは、寓意的人物と怪物が入り乱れ美醜善悪が渦巻く幻想世界と、生きるためには避けられない冒険と試練。そして暴かれるのは、落日を迎えた帝国スペインの虚と実…。さあ、どちらの道を行く?二人は別れ、また出会い、魂の成長とともに不死の島への旅が続く…
たそがれ世代の危険な愉しみたそがれ世代の危険な愉しみ
若いころは知的でドキドキするような生活を夢見ていたグレゴリオも今や45歳を過ぎ、さえないサラリーマンを続けている。友人を勇気づけるためについた彼のささやかな嘘。嘘は人生を幸福にする安上がりな手段だったはず。それがいつのまにかおそろしい武器に…危険なゲームへと人を駆り立てる。イカロ文学賞、文芸批評家大賞、国民文学賞を受賞。又、地中海文学賞の外国作品部門最優秀作品に選ばれた。
スペイン幻想小説傑作集スペイン幻想小説傑作集
スペイン文学の流れには、〈スペイン的リアリズム〉と並行して、驚異・怪奇・幻想的要素が脈々と生き続け、独特の精神風土に想像力豊かな、魅惑の作品群を開花させている。ベッケル、アラルコン、クラリン、バレラ、バリェ=インクラン、カステラオ、マトゥテら、12人の傑作を編んだ画期的短篇集。
ラ・レヘンタラ・レヘンタ
愚直な夫と周囲の俗物への嫌悪から、ラ・レヘンタ(地裁所長夫人)は新しい生活を模索するが、信仰と愛の誘惑の間に揺れ、そして意外な結末を迎える。軽妙な語り口と鋭い風刺、批判精神でさまざまな登場人物を生き生きと描き、時代や国境を越えて、人間存在そのものの弱さと愚かさを鮮やかに提示する。
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