著者 : 杵渕博樹
猫と鼠猫と鼠
第二次世界大戦の暗い影を落とす、バルト海に面した港町で暮らす少年たちの生き生きとしつつも、ちょっといびつな日常の物語。主人公と友人のマールケたちは沈没したポーランドの掃海艇に潜り、いろいろなものを引き上げてくる日々を送っていたが、やがて軍隊に加わり、戦争に関わっていくことに。 戦後の世界文学の最も偉大な作家の一人で、1999年ノーベル文学賞を受賞したギュンター・グラスの、初期を代表する「ダンツィヒ三部作」2作目の短編小説を刊行。「ダンツィヒ三部作」はグラスの故郷ダンツィヒを舞台にした、自伝的要素が強い3作品のことで、有名な『ブリキの太鼓』は1作目にあたる。 本書は1977年集英社発行を底本に復刊し、書き下ろしの解説を追録。
人類は原子力で滅亡した人類は原子力で滅亡した
序章 作家グラス誕生から『女ねずみ』まで 第1章 『女ねずみ』の研究史 第2章 物語内容と語り手 第3章 物語世界のリアリティとジャーナリズム 第4章 非日常的テクノロジーと日常的身体感覚 第5章 生き残ることの意味と人間の死 第6章 結論 終章 『女ねずみ』以降
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