著者 : 松家仁之
空襲で焼け落ちた明治宮殿に代わる、戦後日本、象徴天皇にふさわしい「新宮殿」をーー。敗戦から15年、皇居「新宮殿」造営という世紀の難事業に挑む建築家・村井俊輔。彼を支える者、反目する者、立ちはだかる壁……。戦前から戦中、戦後、高度成長期の日本社会と皇室の変遷を辿り、理想の建築をめぐる息詰まる人間ドラマを描き尽くす、かつてない密度とスケールの大長篇。『火山のふもとで』前日譚ついに刊行!
空襲で焼け落ちた明治宮殿に代わる、戦後日本、象徴天皇にふさわしい「新宮殿」をーー。敗戦から15年、皇居「新宮殿」造営という世紀の難事業に挑む建築家・村井俊輔。彼を支える者、反目する者、立ちはだかる壁……。戦前から戦中、戦後、高度成長期の日本社会と皇室の変遷を辿り、理想の建築をめぐる息詰まる人間ドラマを描き尽くす、かつてない密度とスケールの大長篇。『火山のふもとで』前日譚ついに刊行!
自分の居場所はどこにもない でもひとりでは生きていけない 男子高の二年に上がってまもなく学校に行けなくなった薫は、夏のあいだ、大叔父・兼定のもとで過ごすことに。 兼定は復員後、知り合いもいない土地にひとり移り住み、岡田という青年を雇いつつジャズ喫茶を経営していた。 薫は店を手伝い、言い知れない「過去」を感じさせる大人たちとともに過ごすうち、一日一日を生きていくための何かを掴みはじめるーー。 思春期のままならない心と体を鮮やかに描きだす、『光の犬』から3年ぶりの新作にして、最初で最後の青春小説。 【著者略歴】 松家仁之(まついえ・まさし) 一九五八年、東京生まれ。編集者を経て、二〇一二年に発表した長編小説『火山のふもとで』で第六十四回読売文学賞を受賞。二〇一八年『光の犬』で第六十八回芸術選奨文部科学大臣賞、第六回河合隼雄物語賞を受賞。その他の小説作品に『沈むフランシス』『優雅なのかどうか、わからない』。共著に『新しい須賀敦子』。
生まれ、育ち、生きて、病み、死んでゆくーー。その瞬間、たしかにそこにあった生のきらめき。北の町に根づいた一族三代と、そのかたわらで人々を照らす北海道犬の姿。助産婦の祖母の幼少時である明治期から、父母と隣家に暮らす父の独身の三姉妹、子どもたちの青春、揃って老いてゆく父母とおばたちの現在まで……。百年以上に亘る一族の姿を描いて、読後、長い時間をともに生きた感覚に満たされる待望の新作長篇!
北海道の小さな村を郵便配達車でめぐる女。川のほとりの木造家屋に「フランシス」とともに暮らす男。五官のすべてがひらかれる深く鮮やかな恋愛小説。北海道の山村で出会った男女の恋愛の深まりを描きだす待望の第二作!