著者 : 柘植久慶
日本人作家・彦坂和彦のところへ、ロシアの女性・カチューシャから電話がかかってきた。彦坂は、彼女がかつて日本に留学していたとき身元保証人になっていたのだった。「脅迫されている父をヨーロッパへ亡命させたい」とカチューシャは言った。政府を批判するジャーナリストたちが、ロシアでは何人も暗殺されていた。カチューシャの父親を助けるために、彦坂はロシアへ向かう。二人が会っていると、ロシア連邦保安局の襲撃者が迫ってきて…。
作家の彦坂和彦は、太平天国の乱をテーマにした作品を執筆するため中国へ取材旅行に出かけた。上海で新彊省出身の若い女性と知り合い、一緒に南京へ行くことになる。彼女は、北京政府からの分離独立を求めるテロリスト・グループの活動家だった。共感した彦坂は、彼女たちの計画に協力する約束をする。なんとその計画とは、2008年の北京オリンピックを中止させるべくメインスタジアムを爆破する、というものだった。公安の追跡を逃れながら、いよいよ実行の日が近づく-。
世界各国の政府や、一流法人の依頼を受けて、国際的な規模の仕事を請け負うプロ集団「黄金の頭(オラ・カベサ)」。経済マフィアの大物を消し、経営陣として役員の一人に加わった楯岡久への次なる依頼は、腐敗した世界オリンピック委員会を一掃することだった。美しきスイスのレマン湖畔を舞台に圧倒的な迫力で描く、書き下ろし国際冒険シリーズ、好評の第五弾。
対戦車ロケットが、迫撃砲が、そしてガソリンを満載したセスナ機が迎賓館を襲う。西側要人を狙う国際テロ組織が、東京で開かれる先進国首脳会議にむけて動き出した。集まった首脳たちを一気に葬り去ろうというのだ。百万ドルでこの仕事を請け負った元海兵隊員の雑賀操は、緻密な計算と大胆な行動力で武器の調達から爆殺計画まで着実にこなしていくが…。世界一を誇る日本の警察力に挑む男の激闘。
ニューヨークのマンハッタンの一画が、謎のテロリストたちによって占拠された。即座に特別警察隊SWATが、人質の救出とテロ鎮圧に向かったが、スティンガーミサイルや対戦車ロケットなどで強力武装した敵によって全滅させられてしまった。事態を重くみた市当局は、日系三世ハリソン・国泰寺の率いる対破壊工作班を投入したが…。摩天楼が炎上するなか、生き残りを賭けた男たちの凄絶な闘いが始まった。
百億円以上の金が動くと思われる、外資系会社の買収計画を進めていた矢倉啓造の恋人が、何者かによって惨殺された。警察の捜査では、矢倉が容疑者とされた。罠にはめられたと知った矢倉は、警察の厳しい目をくぐり抜けながら真相を突きとめたが、真犯人たちはパリへ飛ぶ寸前だった。日本での復讐は不可能だと察知した矢倉は、単身パリへ向かった。復讐、追跡、騙し、新境地を拓く著者渾身の国際冒険小説。