著者 : 栗林佐知
「上質で面白い、短篇小説の商業文芸誌を作りたい! 」と志し、 「もっと活躍したいプロ(自称可)の小説家」ではじめた『吟醸掌篇』の第5号! 今回は女性作家ミステリ号。新作短篇4本に翻訳1本、秀逸な読書案内に作家紹介とコラムも充実しています! ●目次 【表紙】山崎まどか(装幀・装画) 【コラム】 《ミステリと女性作家》 空知たゆたさ「(わたしの愛する短篇作家5)エリサベス・ボウエン─事件と生活の共犯性」 50-53 杉山志保 「銀輪の音 凛々と響かせよ ミステリの妖精(エルフ;)仁木悦子よ!」 54-57 頭木弘樹 「理想のミステリとしたシャーリー・ジャクスン」 58-61 《女性作家のミステリ わたしの短篇ベスト3》79-89 ・寺田和代「凡人の内なる悪や恐怖をあぶり出す不穏な心理劇」(P・ハイスミス、R・レンデル、ローリー・リン・ドラモンド) ・うた「女性がミステリーを語るとき何が起こるか」(アガサ・クリスティ、ミネット・ウォルターズ、ローリー・リン・ドラモンド、カリン・スローター、パトリシア・コーンウェル) ・伊東晶子「変わり続ける女性探偵たち──激辛はイヤ、でも生ぬるいのもちょっとね」(キャサリン・ルイーザ・パーキス、アマンダ・クロス、B・K・スティーブンス) 【翻訳】 レベッカ・ハーディング・デイヴィス/(訳)まえだようこ「船長の話」 (画・八木橋幸子) 62-78 【創作】 小沢真理子「黒の方法」(画・小春あや) 2-25 村木美涼「eフィーバー」(画・とどろきみゆき) 26-49 浅野里沙子「見えざる影」(画・三堂懐古) 90-111 栗林佐知「ばあちゃんは見ている」(画・小春あや) 112-131 【プロフィール】 132-134 【お知らせ】 ・けいこう舎の刊行物 表2(表紙ウラ) ・けいこう舎マガジンの好評連載企画 136 ・「寄稿してもいいな」と思ってくださったみなさまへ 表3(裏表紙ウラ)
15年前、文芸誌『小説すばる』(集英社)誌上で出会った若きイラストレーターと中年の新人小説家が再結集! ほのぼのしているのにそこはかとなく物騒で、ぞっとするんだけどなんだか笑ってしまう、透明感あふれるイラストと、日常からずれまくった超短篇ファンタジー36本の協演! 2024年6月7〜12日開催(於:東京・表参道、OPAギャラリー)の小春あや「丘の団欒」原画展とのコラボレーション出版。 大丈夫/花物語/食堂/月の満ち欠け/婆っ皮/金の斧、銀の斧/皮/青びょうたん同盟/遠慮(1)/優しい/マコちゃん(1)/くまみさん/飛行/遠慮(2)/牛人/特別/マコちゃん(2)/再会/狸/生き霊/ねずみ浄土/迷い/さかしま/さなぎ姫/成長/ある椅子/理由/聖女/駅裏の母/丘の団欒(まどい)/正常化/彼氏/秘密の活躍/耳の中の魔女/叫び/ともだち/田中くん(1)/ローマ皇帝/武士の世/番犬/なかよし/孤独なビニル/給茶室のタイムマシン/Q作さんの夢/夢の受信料/あの世/田中くん(2)/森/種/貯める/田中くん(3)/派遣の小林さん/サクセスストーリー/賞品/賃貸/人材/豆/髭/子どもっぽい数/おおかみの眉毛/ねむい/人間の証明/駅員さん/描き手あとがき/書き手あとがき
「上質でおもしろくてきれいな、短篇小説の雑誌を作りたい! 同人誌でなくプロフェッショナルな!」 こんな考えで始まった『吟醸掌篇』の第4号。 「最近は短篇小説が減ったなあと思います」「短篇の受け皿としての雑誌の存在がとても大切だと思います」(頭木弘樹「コラム・短篇礼讃」)との応援の言葉を巻頭に頂き、中堅・無名のプロ小説家による新作短篇6本、翻訳(19-20世紀米女性作家)、版画と詩のほか、「わたしの愛する短篇作家(ブッツァーティ)」「去年の読書から、短篇ベスト3」(斎藤真理子、寺田和代、林浩治、踏)などコラムも好評。短篇小説好きにはこたえられない一冊です。 気鋭の現代日本画家、有冨禎子はじめ実力派イラストレーターによるさし絵も充実。装幀装画のネコ作家シリーズ(山崎まどか)は、ニャ宰治。 【エッセイ】 ・「短篇礼讃(結晶とスナップショットと未完・断片)」頭木弘樹(画・木村千穂) 10 ・わたしの愛する短篇作家4「ディーノ・ブッツァーティ〜残された宿題」空知たゆたさ(画・三堂懐古)59 ・去年の読書から わたしの短篇ベスト3 「霊魂は如何にして闘うか」林浩治 89 「閉塞の日日、思いがけない救い手は」寺田和代 93 「行動しない男たち〜コロナ禍のなか、徒然に〜」踏 96 「たくさんの他人の話」斎藤真理子 100 【翻訳】 ・「黄昏どき」 スーザン・グラスペル/まえだようこ訳(画・八木橋幸子) 103 【詩と版画】 ・「ひかり」 武藤玲 2 【創作】 「お水とり」 なかむらあゆみ(画・とどろきみゆき) 16 「爆心地ランナー」 志賀泉(画・有冨禎子) 22 「白化かしの村」 松本薫(画・三堂懐古) 44 「ヌスット透視図」 片島麦子(画・とどろきみゆき) 63 「鳥の餌を盗む」 藤本紘士(画・奧津直道) 79 「蟻の王様」 栗林佐知(写真・踏) 114 【装幀・装画】 山崎まどか