著者 : 桃野雑派
蠟燭は燃えているか蠟燭は燃えているか
宇宙ホテルでの連続殺人事件から無事に帰還した京都の女子高生真田周は、大気圏突入時、行方不明の友人へ向けて音楽配信をしたことで「人が死んだのに不謹慎だ」と、SNSで炎上してしまう。まるで事件の加害者かのような扱いを受け、迷惑系動画配信者が現れるなど、日常の通学すら困難になっていく。ある日、地球帰還時のアーカイブ動画に不穏なコメントが書き込まれた。「まずは金閣寺を燃やす」半信半疑の周の目に映ったのは、予告通り黄金色に輝きながら燃え落ちる金閣だった。その場には、行方不明の友人・瞳子の姿。あの子がこの炎上を引き起こしたのか?哀しみの劫火が、京都を襲う。
星くずの殺人星くずの殺人
完全民間宇宙旅行のモニターツアーで、念願の宇宙ホテル『星くず』に着いた途端見つかった死体。それも無重力空間で首吊り状態だった。添乗員の土師穂稀は、会社の指示に従いツアーの続行を決めるがー。一癖も二癖もあるツアー客、失われる通信設備、逃げ出すホテルスタッフ。さらには第二の殺人まで起きてしまう。帰還を試みようとすると、地上からあるメッセージが届き、それすら困難に。『星くず』は、宇宙に漂う巨大密室と化したのだった。
老虎残夢老虎残夢
碧い目をした武術の達人梁泰隆。その弟子で、決して癒えぬ傷をもつ蒼紫苑。料理上手な泰隆の養女梁恋華。三人慎ましく暮らしていければ、幸せだったのに。雪の降る夜、その平穏な暮らしは打ち破られた。第67回江戸川乱歩賞受賞作。
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