著者 : 梶元靖子
夜のロサンジェルスに翼ある男が出現した。男の名はヴォロス。神に反逆して地上に降り、ロック・シンガーを目ざす美貌の天使。彼は望みどおりスーパースターの座をつかみ、その一方で、心優しき中年男や出世欲に燃えるゲイの若者、不思議な力をもつ女などとの絆を深め、人間としての愛と痛みを学んでいく。だが、そんなヴォロスを悪魔と呼ぶ者たちが現われて…現代ファンタジイの旗手が贈る感動のファンタジイ・ロマン。
ヴァン・ヘルシングが斃れ、ドラキュラはついに英国全土を征服した。だがその治世下、吸血鬼の娼婦ばかり惨殺される事件が発生。諜報員ボウルガードは、闇の内閣の命を受け、「切り裂きジャック」追跡に乗りだす。一方、ドラキュラとは血統を異にする吸血鬼の美少女、ジュヌヴィエーヴもまた事件を追いはじめるが…いまひとつの世紀末。虚実ないまぜにして贈る、あの名作の総編。
銀河に冠たる〈覇国〉の王の交替劇をみごと成功させた女魔術師サイレンス。だが彼女の師イザンバードの悲願である〈失われた地球〉への到達は、いぜん果たされぬままだ。しかし、ついに機は熟した。彼女たちの後見人たる新覇王の命をうけ、最後の探索行へと船出するサイレンスたち。伝説の地で一行を待ち受けるものは?驚異的世界を創造した入魂の宇宙活劇三部作、堂々完結。
水の惑星での敗北は、海賊結社〈神の怒り〉にとって大きな痛手となった。渦中にあったサイレンスたちはからくも覇国の手を逃れるが、その過程で思いがけず彼女の稀有な素質が見出された…。異例な、女魔術師としての能力が。そのサイレンスが、覇王に反旗を翻す惑星総督から、覇王の女宮に囚われた娘の奪還を依頼された。失われた地球への手掛りと引換えに。魔術的宇宙活劇。
星間商人だった祖父の突然の死が、一人の女性パイロットの運命を変えた。ここは特異なまでの科学理論と星間航法に支配された宇宙。恒星船は、天上物質ハルモニウムによって音楽をかなで、音響竜骨をきらめかせて天へ舞い上がる…。とある恒星船船長との出会いによって、やがて星間戦争のただなかへと導かれてゆく彼女の数奇な冒険劇を描いた、渾身の錬金術的スペース・オペラ。
女帝オリアナの突然の崩御の報せは、銀河全域を震撼させた。領域に覆権を争う九つの貴家は俄然色めきたつが、故人の遺言状は思いがけぬ人物を後継者に指名していた。ケイラ・ルノーー。女帝の庇護のもとにあった一介のギルドマスターにすぎない。だが野心と才気に満ちたこの若者は、異をとなえる貴家に対等に互して、帝国を自らの手中に収める決意だった。絢爛たる銀河エピック。