著者 : 森下弓子
ひっこみ思案のジャッキーが妖精郷で巨人退治をなしとげ、一年がたった。いまや妖精郷の一部では“心臓”ともいうべき存在だ。彼女の仕事は、妖精たちにとって糧である月からの幸運が、毎日正常に流れているかを確認すること。しかしその異変に気づいたころ、ひとりの妖精の無残な死体が見つかった。現場にはなにやら魔法のにおい。やがて魔の手はジャッキーにも及んだ。が、危ういところでクミンと名乗る男に助けられる。お礼のしるしにと、さっそく男を屋敷に招待してしまうのだが…無邪気なジャッキー、ほんとうにこれでいいの。『ジャッキー、巨人を退治する』の続編。
こんな都会に妖精郷が存在する。ジャッキーだって最初は信じていなかった。でもあの晩、暴走族に追い回されていた人影は人間にしては小さすぎた。小男は目前で轢かれ、あとに残るは灰と赤い帽子のみ。そこで彼女が恐る恐るかぶってみると…見慣れていたはずの町は妖精たちで一杯。おまけにその別世界で巨人退治の大役を命ぜられてしまうなんて。元気な現代ファンタジィ。キャスパー賞受賞作。
開館の準備が進む博物館で、任命されたばかりの館長さんが墜死するという椿事が発生した。あやまって屋根裏部屋から落ちたのかと思いきや、窓が小さくてそれは無理。ならば屋根に登って飛び降り自殺を決行したのか。ところがどっこい、故人は高所恐怖症だったらしく…。摩訶不思議な事件をむこうにまわしてディタニーが大活躍。マクラウドが別名義で贈る、好評ユーモア第二弾。
ここロベリア・フォールズではアーチェリーが盛ん。その朝、秘書代行サービス業を営むディタニーも矢筒を背負って散歩に出かけたのだがー、突如一本の矢が風を切り、目の前の木に深々と突き刺さった。発射されたあたりに行ってみると、町の水道課長が矢で射殺されている。ディタニーは、ぼやきながらも素人探偵を始めるが…。マクラウドが別名義で贈る奇抜でにぎやかな新シリーズ。
少年の名はウォート。親の顔は知らない。義兄のケイが騎士に叙せられた暁には、従者として一生を送るはずだった。だが森のなかで、時間を逆に生きる魔法使いマーリンと出会ったとき、彼の運命は一変した。そう、ウォートこそは、イングランドを統べる伝説の王アーサーとなるべき定めにあったのだ!奇想天外にして壮大無比、史上最高のアーサリアン・ファンタジイここに登場。
円卓の旗のもと騎士たちは集い、アーサー王の治世はその理想を全うしたかに見えた。しかし、無二の親友ランスロットは妻のグェネヴィアと道ならぬ恋を育み、おまけに国王の失墜を狙う策謀まで渦巻きはじめていた。少年ウォートの運命とは、悲劇の王として生きることにあったのか?波瀾万丈の物語は、やがて苦渋に満ちた人間ドラマへ。叙事詩、ついにクライマックスを迎える。
カスとポルは15歳。科学の天才にして商売上手、ルナ・シティでは有名な“悪たれ双子”だ。今回の宇宙旅行でも、何やら大儲けを企んでいるようだ。父親のストーン氏は不安だった。双子だけではない。祖母も母親も姉も末の弟も、いずれ劣らぬ要注意人物なのだ。ただではすみそうにない…かくして、ストーン一家を乗せた“ローリングストーン”号は、波瀾含みの宇宙へ旅立った!
恒星間ゲートを利用して未知の惑星に志願者を送りこみ、回収の時まで無事生きのびていられたら合格。これが上級サバイバル・テストだ。よし、やるぞ!ハイスクール生徒のロッドは、両親の猛反対を押しきって、クラスメイトたちとともにゲートをくぐった。事故で回収が不可能になることなど、露ほども知らずに…。ロッドの長い戦いが始まった。