著者 : 森山光太郎
草莽【そうもう】の臣【しん】草莽【そうもう】の臣【しん】
益田一族がいなければ、日本は四度滅びていただろう@@白村江の戦い、元寇、秀吉の朝鮮出兵、そして幕末の開国と、外敵から日本を護るため、歴史の裏側で尽力した山陰・益田家の、四つの時代の人々を描く連作集。政治、諜報、戦記、そして文明への志の物語。
弟切抄 -鎌倉幕府草創記ー弟切抄 -鎌倉幕府草創記ー
源義朝が平清盛に滅ぼされて二十余年。遺された源氏の子らは、武士という存在の意味を求め、強大な平氏を滅ぼさんと立ち上る。帝の軛を離れ、武士の国を創ろうとする源頼朝。帝とともにあろうとする源義経。二人の狭間にあって、源範頼はただ友を守るため、兄を、そして弟を殺すべきか、その答えを探しに天朝始まって以来最大の戦いに身を投じる。
火神子火神子
弥生時代、登美毘古が大王に即位して二十年、泰平の世が続いていたある日、実弟・安日彦が変わり果てた姿となり戻ってきた。その夜、矢の雨が長髄の邑を覆い、村人を襲った。敵は「天孫」を称する二十歳の御真木だった。大陸を祖国とする御真木は、この地を征伐し、新たな国を創ろうと殺戮を繰り返していた。登美毘古には一人娘がいた。その名は翡翠命、十五歳。薬師である老人・左慈と共に山奥で暮らす。御真木の悪辣ぶりは隠れ里まで届き、翡翠命は自らの宿命を受け入れ、御真木と対峙する。新しい国王になるため、古い王家の血を絶やすべく、自らの力を過信し殺戮を繰り返す男と、己の弱さを知るが故に弱き者を救い、均しく包摂する少女。王を巡る壮大な物語が今、始まる。
PREV1NEXT